由布市内のスーパーの鮮魚コーナーで販売されたマフグの卵巣を食べた男性二人が食中毒になったのを受け、県が実施している県内一斉立ち入り調査で、卵巣を販売した店舗と同様にフグ処理施設の届け出をしていなかったり、フグ調理資格を持っていない従業員がさばいていた店舗が数件ずつあったことが十二日、分かった。調査はまだ全体の十分の一程度が終わった段階で、違反件数はさらに増える恐れもある。フグは大分県を代表する食材の一つとして売り出しているが、安全・安心面でずさんな実態も浮かび上がった。
由布市のスーパーに出店していた魚介類販売店は、今月六日、猛毒を含むため食用が禁止されているフグの卵巣を販売。県の調査で「県食の安全・安心推進条例」で義務付けているフグ処理施設の届け出をしておらず、フグ調理資格を持たない従業員が調理、販売していたことが分かった。
県は九日から県内約千二百の魚介類販売店(中核市の大分市は除く)を対象に緊急立ち入り調査をしている。これまでに約百六十店を調査し、そのうち約六十店がフグを扱っていた。フグ処理施設の届け出をしていなかったり、フグ調理資格を持っていない従業員がさばいていた店舗には、その場でフグを販売しないよう勧告した。
県に届け出ているフグ処理施設(飲食店を含む)は千三百二十二施設、フグ処理登録者は二千六百三十二人(二〇〇八年三月現在)。フグを処理するためには、必ず実技を含む講習を受け、県に登録しなければならない。県は「今後も違反店舗が見つかれば、厳しく指導し、監視も強めたい」と話している。
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