大統領選挙後の混乱が続くイランで17日、敗れたムサビ元首相を支援してきた重鎮・ラフサンジャニ元大統領が選挙後初めて演説し、現体制の対応を批判しました。
ラフサンジャニ師は、17日の金曜礼拝で数千人の聴衆を前に演説し、「国民の多くが選挙結果に疑問を持っている。疑いは取り除かれなければならない」と強く訴え、選挙後の混乱で当局に拘束されたムサビ氏支持者らの釈放などを求めました。
この演説によって、アハマディネジャド大統領を支持し、当選を承認した最高指導者ハメネイ師への対決姿勢を示したことになり、混乱は勢力闘争の色合いも濃くなっています。
また、金曜礼拝が行われたテヘラン大学の周辺には、選挙結果や当局の取り締まりなどに抗議するムサビ氏の支持者ら数千人が集結しました。
これに対し、警官隊が一部で催涙弾などを使用して排除し、ロイター通信によりますと、15人のデモ参加者が逮捕された模様です。
ラフサンジャニ師がムサビ氏の主張に同調する演説を行ったことで、再び抗議行動が活発化する可能性もあります。(17日22:21)