台湾の人々によって書き継がれる歌集「台湾万葉集」。歌を寄せているメンバーのほとんどは、1895年の台湾割譲後、日本同化政策のもとに育った人たちだ。徹底した日本語教育を強制され、故郷の台湾語を奪われながら若き日を過ごした人々。彼らは占領下に様々な弾圧を受けた苦い記憶を持ちながらも、戦後の解放後も日本語で考え続け、その思いを短歌に託すようになった。彼らのつづる歌は、戦中から戦後にかけての台湾の人々の悲しみの歴史そのものである。彼らを取材したこの番組は、民族の言葉を奪われながら、なお文化として短歌を愛する人々の姿に歴史の傷跡をみてとる企画・構成が高く評価され、ATP賞郵政大臣賞、ギャラクシー賞選奨を受賞した。番組を振り返りながら、複雑に交差する日本と台湾との歴史を考える。
<ATP賞郵政大臣賞>
スタジオゲスト:玄真行(番組担当ディレクター)
コメンテーター:佐藤忠雄(映画評論家)
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