生後7カ月の息子が肝不全で死亡したのは適切な検査を怠ったためだとして、両親が富山市の医療法人橋本医院(橋本明久理事長)を相手に約7150万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が15日、富山地裁であった。田辺浩典裁判長は医院側の誤診を認め、約5640万円の支払いを命じた。
判決によると、男児は04年11月に白い便が出たため、同医院で受診。医師は自然に回復するケースが多いロタウイルス性腸炎と診断した。ところがその2カ月後、自治体の3、4カ月検診で専門医による診察を勧められ、別の病院で手術が必要な胆道閉鎖症と診断された。母親が肝臓を提供して生体肝移植をしたが、症状は改善せず、男児は05年4月に死亡した。
判決で田辺裁判長は「採血検査をすれば、その後の検査で胆道閉鎖症と診断でき、早期に手術して死亡しなかった可能性が高い」と指摘。誤診と死亡との因果関係を認定した。【岩嶋悟】
毎日新聞 2009年7月17日 地方版