国民健康保険料や住民税などの税滞納解消と徴収の効率化を目的に、田川市郡の自治体で構成する「田川市郡税務連絡協議会」が、納税指導のソフト開発で全国最大手の「THINK(シンク)」と(同市)連携。IT技術などを徴収作業に生かす取り組みを始めた。自治体と民間企業が連携して滞納一掃を目指すのは珍しい。
今後、連絡協は督促業務などをコールセンターに外注し、滞納者への支払い指導や納税期限を促す方法を検討する。3日には同社と連絡協の第1回の勉強会が開かれた。
勉強会は、過去に田川郡内の自治体で滞納金徴収にかかわった経験を持つシンクの富松〓雄社長(67)が、現場の苦労などを聞き、開発に生かすことを目的に田川市に提案。同市は田川郡の自治体にも呼び掛け、同市郡の自治体の税務課長らでつくる連絡協で取り組むことになった。
今回は、シンクがオペレーターを利用して滞納者らに納税指導することを目的に、コールセンター運営会社・CSKサービスウエア北九州事業所(香春町)を連絡協に紹介。実施に当たって問題点を協議した。
参加した6自治体からは「職員が督促の電話をする手間が省ける」「どの程度の費用がかかるのか」などの質問・意見が出た。さらに、ごみ収集日など市民の問い合わせへの利用を提案する声もあった。今後、継続して協議することを申し合わせた。
シンクは、滞納者の名前や住所に加え、滞納額や理由、交渉経過と内容がパソコン画面で一目で分かる「滞納整理システム」を開発。全国の自治体など172市区町村(事務組合を含む、6月末現在)が採用し、全国1のシェアを誇る。勉強会について、富松社長は「徴収現場の苦労を軽減するとともに、意見を開発に生かしたい」と話している。
※本文中の〓は「暹」のへんの部分が「しんにょう」
=2009/07/12付 西日本新聞朝刊=