2009年7月13日20時0分
中国・新疆(しんきょう)ウイグル自治区の騒乱を巡り、「世界ウイグル会議」日本代表のイリハム・マハムティ氏は13日、東京都内で会見し、中国当局による武力制圧に対し欧米や中東諸国の多くが毅然(きぜん)と批判していないと指摘し、「ウイグル人は世界への希望を失い始めている」と述べた。
イリハム氏は、デモの武力鎮圧が人権侵害に当たると強調。「ウイグルはこの1週間、世界に救いを求めてきたが、欧米諸国は中国政府に強いメッセージを送っていない」と批判した。
現地でモスクが破壊されたり、金曜日の礼拝が禁じられたりしているにもかかわらず、イスラム諸国からも明確な批判が出ていないことについても強い失望感を表し、「ウイグル人の希望を失わせ、孤立させるのは危険だ」と警鐘を鳴らした。
今回の騒乱を巡っては、直後に開かれた主要国首脳会議(G8サミット)の首脳宣言で言及はなく、その後も「ジェノサイド(集団殺害)だ」と批判したトルコ首相の発言が際立った程度。欧米諸国で厳しい中国政府批判が広がった昨年のチベット騒乱との反応の違いが目立っている。(林望)