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中国批判、トルコ突出 ウイグル騒乱「集団殺害」

2009年7月13日10時39分

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 【テヘラン=吉武祐】中国・新疆(しんきょう)ウイグル自治区の騒乱をめぐり、トルコの中国批判が突出している。エルドアン首相は大量の犠牲者が出た状況を、ウイグル族への「ジェノサイド(集団殺害)」だと批判。民衆にも反中感情が高まっている。民族・言語がトルコ系でイスラム教徒であるウイグル族への同情と、宗教・民族のつながりを重視する外交姿勢が背景にある。

 エルドアン首相は11日、「同化政策をやめるよう中国政府に求める」と述べた。騒乱発生以来、非常任理事国として国連安全保障理事会で取り上げる意向を示すなど、中国側の反発を招いている。

 特に「ジェノサイド」は、トルコがオスマン帝国末期の「アルメニア人虐殺事件」をめぐって否定し続けてきた言葉。首相の発言は、重みをわかったうえでの確信犯だ。ギュル大統領が6月末にウルムチを訪問、「ウイグル族はトルコ・中国友好の懸け橋」と強調した矢先だったため、失望感もあるとみられる。

 トルコは親欧米路線だが、欧州連合加盟交渉の停滞や米国の中東政策への反感もあり、民族感情が高まっている。イスラエル軍によるガザ攻撃があった際にはイスラム系財団に短期間で膨大な寄付が集まり、イスラム教徒の連帯を叫ぶ傾向も顕著だ。

 12日にはイスタンブールで反中デモがあり、数千人が参加。「東トルキスタン万歳」「ムスリムは残虐行為に負けない」などと叫んだ。

 首相の刺激的発言は、こうした大衆の声を意識したものだが、親イスラムの公正発展党政権には、トルコ系民族やイスラム諸国とのきずなを生かし、欧米との仲介役として立場を強める戦略もある。世界が注目するこの機会をとらえ、存在感を示す計算があるとみられる。

 ただ、トルコはクルド人への人権抑圧問題を抱え、他国の人権問題を突くのはリスクがある。加えて、中国は輸入額3位の重要な貿易相手国だ。エルギュン商工相が中国製品ボイコットを呼びかけた直後、同省報道官が「政府の方針ではなく、大臣の個人的意見」とするなど、火消しに走る動きもある。

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