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ウルムチ騒乱が観光業界を直撃

2009年7月14日17時0分

写真:ウルムチ随一の観光スポット「国際大バザール」は閉鎖されたままで、構内には数百人の武装警察が陣取っている=13日、西村写すウルムチ随一の観光スポット「国際大バザール」は閉鎖されたままで、構内には数百人の武装警察が陣取っている=13日、西村写す

 【ウルムチ(中国新疆(しんきょう)ウイグル自治区)=西村大輔】観光シーズンまっただ中に起きた中国・ウルムチの大規模騒乱は、地元観光産業に大打撃を与えている。観光客の流れがぴたりと途絶え、観光スポットはひっそりとしている。

 ウルムチ随一の観光スポット「国際大バザール」。騒乱後は閉鎖されたままで、構内には武装警察部隊数百人が常駐、装甲車も配備された。

 近くにある旅行客向けのじゅうたん店では、1日数百人の客が騒乱後は数人に激減。じゅうたんも騒乱後は1枚も売れていない。20代の店員は「いつ回復するのか予想もつかない。かき入れ時でこの状態なら、今年の商売はもうだめだ」と嘆いた。

 客室120室を抱えるホテル「新疆愛楽満国際大飯店」は、例年なら7月の稼働率は90%前後。だが、今年は騒乱後にキャンセルが相次ぎ、稼働率はわずか数%に。ホテルの前の通りは通行禁止で、「周辺で食事する場所を見つけるのも大変。これでは客が来るはずもない」(従業員)と、お手上げ状態だ。

 自治区の調べでは、自治区全域で騒乱後にキャンセルされた旅行ツアーは約1400団体(約8万5千人)。国際大バザールと隣の「二道橋市場」だけでも、毎日20万〜30万元(280万〜420万円)の損失が続いているとみられている。

 ウルムチで旅行会社を営む隣国キルギス出身の男性(49)は「我々はウイグル族と同じイスラム教徒。騒乱後はキルギス人客は怖がってウルムチに来なくなった。金融危機のさなかにこんな事件が起き、とんだとばっちりだ」と話した。

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