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【私はこうみる ウイグル暴動】張亜中・台湾大学教授 (1/2ページ)
このニュースのトピックス:テロ
ウイグル暴動発生の背景に三つの要因を指摘できる。まず新中国成立以来の共産党政権の辺境政策、民族政策の矛盾だ。
共産党政権は新疆の石油を極めて低価格で買い上げる一方、工業製品を高価格で売りつけ(辺境を搾取し)た。政治犯収容所や核実験場も設けた。さらに漢族の入植を大々的に進めた。1949年には新疆ウイグル自治区の漢族人口は全体の4%だったのにいまは41%に増えている。これらが新疆のウイグル族の不満や不安を拡大した。
次に91年のソ連崩壊でタジキスタンやウズベキスタンなど(トルコ系民族国家)が独立したことが、同じトルコ系ウイグル族の独立心を鼓舞した。
さらにグローバル経済の進展が中国の民族間所得格差を拡大し、矛盾を増幅している。西部大開発で漢族は大きな利益を得たが、ウイグル族はそれほどでもないからだ。9・11米中枢同時テロ以降は(イスラム教徒の)ウイグル族に対する内外の警戒・差別が強まり、彼らの孤立感・喪失感を強めた。
今回の暴動のきっかけは広東省広州の玩具工場における漢族とウイグル族のトラブルだった。工場経営者は政府の少数民族政策に沿って、1万人の工員中600〜800人のウイグル人を雇用していた。しかし南方の広東人とウイグル人では考え方や生活習慣に差がありすぎた。
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