記事の見出しへ

記事の検索へ

社会

県、1100万円の風力発電装置を2年半で撤去 

写真

兵庫県庁屋上に設置されていた風力発電装置=2006年4月、神戸市中央区

 兵庫県が、環境行政推進のシンボルとして2006年春、神戸市中央区の県庁1号館の屋上(地上50メートル)に約1100万円かけて設置した風力発電装置が昨年秋、撤去、廃棄されていたことが分かった。同種装置の破損事故を受け、「安全性に問題がある」として撤去を決めたという。財政状況が厳しい中、十分な検証がされていない高額な装置を導入、わずか2年半で廃棄した県に「見通しが甘すぎる」との批判の声も上がっている。(霍見真一郎)

 風力発電装置は、高さ7メートルで重さ1・5トン。巻き貝のような形状の風車が上下2段に重なった構造。風速1・7メートルで回転し始め、同25メートルを超えると安全のため自動停止する仕組みという。

 県が進める環境率先行動計画の一環で06年3月、庁舎屋上に設置。発電実績自体は、一般的な家庭が使う電力の2割程度しか賄えず、環境行政推進のシンボル的位置づけだった。

 ところが、県などによると、同種装置の軸の根元部分が破断、風車が落下するなど複数のトラブルが県外で発生。昨年6月には、業者から「県庁の装置も事故が起きる恐れがあり、屋上から移動させてほしい」との打診があったという。これを受け県は同10月、屋上から装置を撤去し、装置を廃棄。撤去費用は業者が負担したという。

 撤去理由について県は安全面への配慮の一方で、「設置当時より県内の風力発電設備導入は格段に伸びており、装置が普及啓発に一定の役割を果たした」と説明。ほかに、維持管理費が本年度から5年間で計1000万円以上かかる▽県庁用に交流電流へ変換する機械の電気使用量が、発電量より多い-なども挙げている。

 八木英樹環境政策課長は「安全性が十分検証されていない機種を導入し、結果として2年半で外すことになり申し訳ない。最新型だったが、もっと慎重に選ぶべきだった」と話している。

(7/13 09:44)


神戸洋菓子職人神戸新聞モバイルJAZZ兵庫の高校野球Live! VISSELおしえて神戸編集局から 読者からみんなの子育て スキップ21コミミ
47NEWS 参加社一覧
北海道新聞  |  室蘭民報  | 河北新報  | 東奥日報  | デーリー東北  | 秋田魁新報  | 山形新聞  | 岩手日報  | 福島民報  | 福島民友新聞  | 産業経済新聞  | 日本経済新聞  | ジャパンタイムズ  | 下野新聞  | 茨城新聞  | 上毛新聞  | 千葉日報  | 神奈川新聞  | 埼玉新聞  | 山梨日日新聞  | 信濃毎日新聞  | 新潟日報  | 中日新聞  | 中部経済新聞  | 伊勢新聞  | 静岡新聞  | 岐阜新聞  | 北日本新聞  | 北國新聞  | 福井新聞  | 京都新聞  | 神戸新聞  | 奈良新聞  | 紀伊民報  | 山陽新聞  | 中国新聞  | 日本海新聞  | 山口新聞  | 山陰中央新報  | 四国新聞  | 愛媛新聞  | 徳島新聞  | 高知新聞  | 西日本新聞  | 大分合同新聞  | 宮崎日日新聞  | 長崎新聞  | 佐賀新聞  | 熊本日日新聞  | 南日本新聞  | 沖縄タイムス  | 琉球新報  | 共同通信