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「核密約」文書、かつては外務省で保管 国会対応要領も

2009年7月11日12時49分

 核兵器を積んだ米艦船の日本への寄港を、日米安保条約上必要とされる事前協議なしに認める日米の「核密約」について、密約の合意文書自体がかつて外務省内に保管されていたことが分かった。元外務省幹部が11日、朝日新聞の取材に明らかにした。01年ごろに当時の外務省幹部が密約関連文書の破棄を指示したのを受けて、合意文も失われた可能性が大きいという。

 核密約については、村田良平元外務事務次官が、日本語の次官用引き継ぎ資料の存在を証言していた。

 元幹部の説明では、保管されていたのは、米側で公開された公文書と同内容の英文文書。60年の安保条約改定交渉の際に「米軍機の日本飛来、米海軍艦艇の日本領海並びに港湾への進入に関する現行の手続きに影響を与えるものと解釈されない」と合意した秘密文書や、「米国の艦船及び航空機の日本国内の港、基地への立ち寄り」は「装備の内容は問わず」事前協議の対象から除くことを確認した文書が含まれていると見られる。

 74年にラロック元米海軍少将が「日本寄港の際、核武装を解かない」と証言した際や、81年にライシャワー元駐日米大使が密約の存在を証言した際に外務省内で極秘に行われた議論と、その結果まとめられた国会向けの対応要領なども保管されていたという。

 複数の元政府高官や元外務省幹部によると、文書はアメリカ局(現北米局)と条約局(現国際法局)に分散して保管され、限られた幹部だけが内容を把握していたという。

 密約問題に関し、河野太郎衆院外務委員長は11日、朝日新聞の取材に、密約はなかったとする従来の政府答弁の変更を政府に求める意向を明らかにした。河野氏は村田元次官らと面会した結果、密約はあったと判断。13日にも記者会見を開いて変更を求める。

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