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名古屋市営児童福祉施設:「求む!小児整形医」 常勤ゼロの危機 /愛知

 名古屋市に3カ所ある障害児のための市営児童福祉施設が、常勤の整形外科医がゼロになるピンチを迎えている。2人が常勤でいたが、開業のために6月末で1人が退職し、8月末にもう1人も退職するためだ。市は県内の大学を中心に後任の医師を探しているが、就任のめどは立っていない。

 施設は▽市北部療育センター(西区)▽市西部療育センター(中川区)▽市障害児総合通園センター(昭和区)。市によると、いずれも就学前の障害児が通う保育施設で、小児科、耳鼻咽喉科、整形外科の診察室があり、整形外科以外は常勤医がいる。整形外科医は、脳性まひなどで運動機能に問題がある児童に、主に機能回復訓練を行っている。

 市は、通園センターに常勤していた医師が6月末に辞めるのに合わせて後任を探したが見つからず、後任が決まるまでは、辞めた医師が非常勤として週2回診察することになった。二つの療育センターを行き来していた常勤医も8月末には退職するため、常勤、非常勤の両面で医師を探しているという。市子ども福祉課は「整形外科の中でも小児整形の分野は医師数が少ない。あらゆる方面に声をかけて早急に後任を見つける」と話す。

 施設を利用する子どもの親でつくる「地域療育センターの早期建設を実現する会」は9日、整形外科医の確保を求める要請書を市に出した。会の伊藤輝人事務局長は「現在は通園しながら治療もできるが常勤医がいなくなると別の病院に通わなければならず、何のための療育センターかわからなくなる」と訴えている。【丸山進】

毎日新聞 2009年7月10日 地方版

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