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    特別インタビュー
     - 日本最後のヘビー級プロ・ボクサー竹原真敬  [2009/4/05]

「戦う」ためにWHで来豪
新天地での挑戦が今始まった

日本最後のヘビー級プロ・ボクサー、竹原真敬(たけはらまさたか)

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 竹原真敬(30)、身長185センチ、体重105キロ。日本で9年間、ヘビー級のプロ・ボクサーとして活動を続けてきたが、昨年4月、日本でのプロ資格を協会に返上し、今年1月に来豪。現在は豪ボクシング界で上り詰めることを目標に、厳しいトレーニングを積む毎日を送っている。2月、その竹原をノース・シドニーのボクシング・ジムに訪ねると、大粒の汗をほとばしらせながら、大柄なオージー相手に休みなくパンチを繰り出す姿があった。


 竹原の中学から大学までの学生時代はラグビー一色の生活だった。ポジションは大柄な体格が生かせるフォワード。高校では花園の全国大会に出場し、高校卒業後は名門・帝京大学ラグビー部で活躍した。
 しかし1年目、試合中の不運な事故で膝を負傷し、ラグビーをこれ以上続けることを諦めざるを得なかった。ただし竹原にとって、これがボクサーとして再出発する転機となった。


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スパーリングでは闘志をむき出しにして前進
「世界で一番強い男になりたい。マイク・タイソンの試合を見てガキのころに夢見たのが、ボクサーで世界チャンピオンになることでした」。幸いにも痛めた膝はボクシングをする上で大きな支障にならない。目の前からラグビーを取り上げられ絶望していた彼に、幼いころに見た大きな夢の実現に向けて、第一歩を踏み出すチャンスが到来したのだ。

 暮らしていた東京・調布にあるボクシング・ジムに練習生として入門した竹原は、1年後にプロ・テストに合格。2001年3月3日には、後楽園ホールで対戦相手を2ラウンドKOで沈めるという華々しいデビューを飾った。大学卒業後は特定の会社に就職せず、工事現場での労働、パン工場や引っ越しの作業員、トラックの運転手など、時間の融通が利く仕事で生活費を稼ぎながら、トレーニングに明け暮れた。


自分の限界を知りたい


 ヘビー級は体重が200ポンド(90.7kg)以上の階級で、プロ・ボクシング全17階級の中で最重量階級だ。竹原にとって不運だったのは、日本国内に対戦できるヘビー級の相手が少なかったことだ。プロ入り当時に全国に10人ほどいたヘビー級ボクサーは数年で激減。年に1度試合を組めれば良い方で、長期間にわたるブランクを余儀なくされることもあった。そして2007年、竹原が国内唯一のヘビー級ボクサーとなってしまう。結局、9年間で行った対戦は8戦。戦歴は5勝2敗1分けだった。

 最後の試合は08年3月。しかも、それまで1つ下の階級のミドル級で戦ってきたボクサーを相手にしたものだった。そして6ラウンドTKOで勝利した時、竹原は「オーストラリアに行きます」とジムの会長に告げた。プロ10年目。「試合相手がいないという理由からボクシングを辞めろというのか。これまでやってきたことは何だったのか」「自分の精神的な弱さから負けた試合への後悔もある」「年齢的にも最後のチャンス。戦うため、そして自分の限界を知るために、行きたい」。1年以上悩み抜き、多くのヘビー級ボクサーがしのぎを削るオーストラリアに渡ることを決意したのだ。
 だが、会長の返事は「NO」だった。所属するジムが日本プロ・ボクシング協会に属し、その会長が許可しない以上、日本のプロ資格を捨てるしか方法はない。不完全燃焼のままでは辞めるわけにはいかないと、竹原は来豪した。ビザは1年間という期限付きのワーキング・ホリデー・ビザだ。


感触は上々「やれる」


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トレーナーのアーネル(右)の要求は厳しいが「今までにない技術が身に着いてきた」と竹原
 ビザの手配は渡豪経験がある高校の時の同級生が、シドニーでの住まい探しやアルバイト探しは、シドニーで生活する同級生の友人が手伝ってくれた。現在のジムを紹介してくれたのもその友人のつて。「たくさんの人に助けてもらって感謝している」と竹原。戦う環境はすぐに整った。
 現在のトレーナーであるアーネル・バルチェロは、元ジュニア・フェザー級IBF世界チャンピオン。その彼が、竹原のパンチをミットで受けたトレーニング初日、オーストラリアのプロ・ボクシング界でも十分に通用すると、その実力を確信した。「マサには世界を狙える可能性さえある。まず長かったブランクを埋めるため国内で5戦ほど試合をこなし、その後に世界戦に臨む」と鼻息は荒い。

 ただ試合ができればいい−−。その思いだけで来豪した竹原だったが、アーネルの思いがけない言葉を聞き、さすがに驚いたという。だがその一方で、ジムに所属するオーストラリア人ボクサーとのスパーリングで、「やれる」という手応えも感じた。
「先日スパーリングしたミックはQLD州のヘビー級現チャンピオン。彼のパンチは確かに今までで一番重い。あれが世界のヘビー級のパンチ、まともに食らったらたちまちダウンでしょう。けど、同時に思ったのは、“これなら戦える”ということ。スピード、迫力、テクニック、どれをとってもマイク・タイソンの試合ほどの身震いするような衝撃はない。十分にやれる」。ボクサーとしての血が騒ぐのを憶えたという。
 オーストラリアの頂点に立てば、東洋・太平洋にランキングされる。そして東洋・太平洋を制した時、世界ランキングが見えてくる。言葉にはしないが、今の竹原にはその道筋が見えているに違いない。


1日も早く戦いたい

 シドニーでの生活はトレーニングが中心だ。太陽が昇りきらない早朝の走り込みから竹原の1日が始まる。その後、午前中はジムでバイクを漕ぐなどのワークアウトをこなし、午後はトレーナーの下で練習。所属するボクサーとのスパーリングを中心に汗を流す。精神論を主体とする日本の根性系トレーニングと違い、ここでの練習はテクニックが中心。今までにない技術が自分に身に着き始めたのを感じているという。午後5時からはニュートラル・ベイにある日本食レストラン「ととや」で皿洗いのアルバイト。収入は6人で共同生活する一軒家のレント代にほとんど消えてしまうが、「賄い食が出るので助かる」という。

 ただし試合は興行だ。対戦相手を呼んで試合を組む場合は、レフリー代、相手へのファイト・マネーを興行の主催側が支払うことになるが、多くのボクサーは通常、この1試合につき約3,000ドルの費用をサポートしてくれるスポンサー探しに苦労することが多い、とアーネル。「向こうからのオファーを待っていてもいつ試合を組めるか分からないし、マサのキャリアを積み上げていく上で、こちらが興行主になり対戦相手を選ぶことは重要だ」。世界を制した経験からのアドバイスには重みがあるが、竹原はそのことについて特に気にしている様子はない。どんな相手であろうと重要なのは戦って勝つこと。必要ならば自分で払えばいい。それくらいのことは覚悟してきたと竹原は笑う。

 とにかく早く今の実力を試したい−−。思いはその1つだけ。そして、竹原の挑戦はまだ始まったばかりだ。


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ヘビー級QLD州チャンピオンのミックと

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