現在位置:
  1. asahi.com
  2. ニュース
  3. 社会
  4. 事件・事故
  5. 記事

補導の次男「成績のことで父親から厳しくしかられた」

2009年7月8日12時21分

 島根県出雲市で父親(43)を殺害したとして、市立中学2年の次男(13)が7日、県警に補導され、児童相談所に殺人の非行事実で通告された事件で、出雲市教委は8日、次男が昨年家出し、両親らと話し合いを重ねていたことを明らかにした。次男は学校のカウンセラーに「成績のことで父親から厳しくしかられた」とも話していたという。

 市教委によると、次男は1年生だった08年10月に家出したが、翌日早朝、市内で発見された。中学校で両親と担任教師を交えて、話し合いをした際、次男は「家に帰りたくない」などと話していたという。

 11月には、次男は県教委の臨床心理士の資格があるカウンセラーに「成績のことで父親から厳しくしかられた」と打ち明け、父親に頭などを複数回、たたかれたとも話していた。今年6月中旬には、次男が担任教師に対して、集中力に欠け、落ち着かないなどと相談していた。

 県警によると、父親には致命傷になったとみられる首右側の刺し傷1カ所以外に目立った外傷がなく、県警は次男が明確な殺意をもって父親を刺したとみている。父親は下着姿で、抵抗した際に手や腕などにつくことが多い「防御創」もなかったという。

 凶器とみられるナイフは遺体から2、3メートル離れた洗面所前に落ちているのがみつかった。

 県警や出雲市教委によると、事件当日の7日午前7時40分ごろから長男(20)と母親(42)が相次いで出勤。その後、次男は同8時20分過ぎには中学校に登校し、午前中は4時間目まで授業を受けていたが、市教委によると、変わった様子はなかった。午後0時40分ごろ、警察から校長に連絡があり、次男は直後に到着した捜査関係者に連れていかれたという。

 出雲市教委の中尾一彦教育長は「より強い対応が必要だったかもしれない。父親に対するおびえやおそれが爆発したのかもしれない」と会見で話した。

 通告を受け、少年を一時保護している県出雲児童相談所の藤井弘一所長は8日午前、少年の様子について「(昨晩は)なかなか寝付けなかったようだ」と話した。家裁送致をするかどうかについては「児童心理司や児童福祉司の判定結果を踏まえ、総合的に判断する」という。

PR情報
検索フォーム
キーワード:


朝日新聞購読のご案内