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重文・二条城の障壁画 作業員が誤って踏み抜く

2009年7月7日22時32分

写真:運搬作業中に作業員が穴を開けた重要文化財の障壁画=7日夜、京都市中京区、高橋一徳撮影運搬作業中に作業員が穴を開けた重要文化財の障壁画=7日夜、京都市中京区、高橋一徳撮影

 京都市は7日、国指定重要文化財である二条城の障壁画「紙本金地著色竹林群虎図(しほんきんじちゃくしょくちくりんぐんこず)」46面のうちの1面(縦約1.6メートル、横2.1メートル)を作業員(25)が過って踏み破り、金箔(きんぱく)部分に二つの穴(縦18センチ、横17センチと縦29センチ、横25.5センチ)が開いたと発表した。市によると、15万円ほどかければ修復可能だという。

 市元離宮二条城事務所によると、障壁画は徳川家光時代の1626(寛永3)年に狩野派の絵師が描き、二条城二之丸御殿遠侍一之間に飾られていた。

 市は72年から随時、障壁画の修復・模写作業を続けている。破損した障壁画は7日午前、二条城内の模写室に移動させるため作業員が壁から取り外した。しかし、雨が降ってきたため、搬出口を雨よけのシートで覆う間、一之間の出口付近の床に置いていたところ、作業員が過って障壁画の上の方の部分を踏んだという。一之間には作業員8人、学芸員2人、修復会社の関係者2人がいた。

 同事務所の奥美里所長は「貴重な文化財を不注意で傷つけ申し訳ない。最大の注意を払って取り扱うべきだった」と話している。

 二之丸御殿には約3千面(うち954面が重文)の障壁画があり、うち1035面が修復・模写の対象になり、昨年度末までに624面の作業が終わっている。

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