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亀の甲羅:形成過程を解明 理研センター

亀の肩甲骨が“移動”するイメージ
亀の肩甲骨が“移動”するイメージ

 亀が卵の中で成長する過程で肩甲骨が体の内側に引き込まれ、肋骨(ろっこつ)が扇形に広がって甲羅(背甲)が形成されることを理化学研究所の発生・再生科学総合研究センター(神戸市)の長島寛研究員らが解明した。爬虫(はちゅう)類、鳥類、哺乳(ほにゅう)類は肋骨の外側に肩甲骨があるが、亀だけは肋骨が変化した甲羅の内側に肩甲骨があるため、その形成過程が謎となっていた。卵の中での成長過程とよく似た道筋で原始的な甲羅を持たない亀から現在の姿に進化したと推定されるという。

 成果は10日発行の米科学誌「サイエンス」に発表される。

 長島研究員らは亀の卵の中での成長過程をニワトリやハツカネズミと比較した。中期までは、ニワトリやハツカネズミと同じように肩甲骨が肋骨の外側にあった。しかし後期になると、肩甲骨が肋骨の内側に移動。約50日後のふ化までの間に骨の位置が入れ替わり、肋骨が甲羅に変化した。

 16日目ごろまでの状態は、約2億2000万年前に生息した甲羅を持たない最古の亀「オドントケリス」の化石と形態が似ているという。

 長島研究員は「特異な形態をしている亀だが、太古にさかのぼれば我々人間や他の動物と同じ骨格だったようだ」と話している。【曽根田和久】

毎日新聞 2009年7月10日 3時00分(最終更新 7月10日 8時57分)

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