2009年7月7日13時15分
騒乱が起きた現場近くでは武装した警官が辺り一面に立ち並び、夜通し厳戒態勢を敷いた=7日午前8時、ウルムチ、奥寺写す
【ウルムチ(新疆ウイグル自治区)=奥寺淳、北京=坂尻顕吾】中国の国営新華社通信が7日、警察当局の話として伝えたところによると、中国・新疆ウイグル自治区の区都ウルムチで5日に発生した騒乱の死者はさらに16人増えて156人に達し、負傷者は1080人に上った。同通信は死者は男性が129人、女性が27人としているが、漢族やウイグル族など民族の内訳は明らかにしていない。また、地元警察当局が騒乱に関与した疑いで1434人を拘束したと伝えた。
ウルムチでは7日午前11時(日本時間同正午)すぎにウイグル族住民による抗議行動が起き、武装警官と小競り合いになった。警官隊とのにらみ合いが続いている。
ウルムチのほか、自治区西部のカシュガル、アクス、北西部のイリカザフ自治州でも組織的な騒乱の兆候があったとしている。
ウルムチでは、7日朝にかけて装甲車や大量の武装警官が夜通しでウイグル族居住区に厳戒態勢を敷いた。インターネットは遮断されている。
騒乱現場の近くに住むウイグル族男性は騒乱を目撃し、銃声も聞いた。「警官が来て大勢のウイグル族が連行された」と話した。ウイグル族の女性(32)も「一昨日から昨日にかけて警官が各家庭を回り、夫や息子たちを連行して行った。数百人は連れて行かれた」と証言した。