部落問題資料室
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立花町で真相究明集会

「解放新聞」(2007.03.19-2311)
 【福岡】立花町役場の職員、Aさん(立花支部員)の、職場・地域からの排除を迫ってAさん宅や上司、子どもの学校、町長らに部落差別ハガキを送りつけ、03年12月いちい3年以上、Aさんと家族の生活、生命を脅かしている悪質非道な立花町連続差別ハガキ事件が、ますます悪質化している。2月23日に真相究明集会を現地でもった。
 05年3月にはAさん宅の金品が盗まれ、直後に「早く辞めさせないから手を討ちましたよ」という犯行声明的な差別ハガキが送られた(関連2216号)。今秋の年末・年始には、部落出身のB職員にも「次はあなたの番よ!」「明けま死んでおめでとう」というハガキが送りつけられた。犯行は拡大している。
 県連は、被害者を全力で支え、県・町の行政・議会や警察、各団体にも働きかけて糾弾闘争を強めている。とくに犯人の特定は、被害者の生活、生命にかかわる喫緊の課題だ。立花町では90年代なかばにも、部落出身の中学校教諭が連続差別ハガキで別の中学校に転勤を余儀なくさせられる事件が起きたが、未解決。被害者の泣き寝入りに終わらせない、と闘いの決意を固めている。

真相究明へ集会
犯人特定と1日も早い解決めざし
立花町連続差別ハガキ事件で

 【福岡】一刻も早い犯人の特定――犯人の猛省に向け、福岡県連と筑後地協の主催で「立花町連続差別ハガキ事件真相究明集会」を2月23日に立花町内でひらいた。県内の同盟員や共闘・連帯する仲間600人が、町立体育館の駐車場に集まり、八女警察署長と町長に要請団を送って犯人特定を強く求めた。同時に、事件をみずからの問題ととらえ、解決への日びの闘いを強めようと誓いあった。

「脅迫」容疑で捜査も

 政府は被害者を救済するどころか部落差別を裁く立法さえ怠り続けている。そのため、警察は、事件発生から1年後の04年12月の差別ハガキで当て字に使われた「死」の漢字を根拠に、ようやく「脅迫」容疑で捜査に入った実態だ。遅遅として犯人特定がすすまない状況に、県連は、県議会でも「県警も断固とした姿勢でとりくみ、捜査を尽くしたい」という答弁(警察委員会、06年3月)を引き出すなどの捜査の前進と法整備を強く求めている。
 集会では、開会にあたり、筑紫地協の森岡修・委員長が「「罪を憎んで人を憎まず」という教えがあるが、差別には満腔の怒りと海よりも深き悲しみを抱く」と語り、吉岡正博・県連書記長が「この差別ハガキできつい思いをした気持ちは、福岡県内の一人ひとりの問題として今後とも県連、地協、ともに連帯しながら1日も早い解決にがんばる決意を強く確認し、とりくみをすすめたい」と主催者あいさつをした。

立花町長と八女警察署長に要請

 現状報告では、筑後地協の組坂幸喜・書記長が、卑劣きわまりないこの事件の概要や差別性を時系列にそって報告し、糾弾闘争への意志統一をおこなった。
 犯行対象のBさんへの拡大を告げた、Aさんあての年末の差別手紙を、Aさんの子どもがポストで見つけて「見せるとお父さんが苦しむだろう」と1か月以上も机にしまいこんでいた経過も語り、「このような家族の思いを考えたとき、私たち一人ひとりのこの事件へのとりくみが本当に十分だったのかと自己反省せざるをえない」とのべ、「あわせて行政と警察に1日も早い事件解決に向けたとりくみを強力に要請したい」と提起。「もう一度、一人ひとりが被害者、当事者の気持ちになって、日び、この差別事件解決にとりくんでいただきたい。闘いの方向性を、犯人の特定――犯人の反省をうながす。そして人権確立社会をめざす。この一点で歩みたい。ともにがんばろう」と訴えた。
 集会決議を、部落解放八女地区共闘会議の馬場隆・議長が読みあげて採択し、「この差別ハガキ事件が解決しない限りは部落の完全解放はない。この意気込みでしっかりと運動をやっていこう」と朝倉地協の探野良二・書記長が閉会あいさつ。組坂繁之・県連副委員長の音頭で団結ガンバローをおこなった。
 連帯あいさつでは、部落解放共闘福岡県民会議の志岐玲子・副議長、筑後地区人権同和教育研究協議会の高森次男・会長、立花町職員労働組合の春口陽一・執行委員長、八女地区企業内同和問題研修推進協議会の坂至寿・会長((株)フジキ工芸産業)が、それぞれ決意表明。立花町立光友中学校の校長や、同校の04・05年度のPTA三役一同から送られたメッセージを、福永謙二・県連執行委員が読みあげて確認した。
 要請行動には、吉岡県連書記長、中山末男・筑後地協副委員長、牛島俊明・立花支部長の3人を立花町長に、松本一至彦・県連執行委員、下川光・筑後地協副委員長、Aさんの3人を八女署長に送り出した。要請後、筑後地協の中山、下川の両副委員長が報告した。

解放新聞題字 

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