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「殴る・ける」被害23% 10人に1人通院 仙台市DV調査

 配偶者やパートナーから殴る、けるなどの暴力を受けた経験のある女性が2割以上もいることが、せんだい男女共同参画財団と仙台市が行ったドメスティックバイオレンス(DV)に関する調査で分かった。

 調査によると、暴力を受けた経験はグラフの通り。「平手で打ったり足でけったりする」が23.1%。「性行為を強要する」は24.9%と4人に1人の割合だった。

 ほかに「大声でどなる」(46.5%)など精神的暴力の割合が高く、外出や携帯電話・メールを細かくチェックされる人も14.7%いた。

 暴力を受けた人のうち、13.2%が「うつ病やケガなど心身の不調を来たし病院に通った」と回答。10人に1人が通院の必要な被害を受けていた。

 DVの「加害経験がある」と答えた人の傾向を分析すると、子どものころに身体的暴力やネグレクト(育児放棄)の被害を受けた人の割合が高かった。

 また「共働きでも家事・育児は女性がした方がよい」「しつけや教育のために子どもをたたくのはやむを得ない」など、男女の役割分担や体罰に肯定的な人が多かった。

 財団は「相談機関などの認知度は上がったが、依然としてDVの認識が乏しく、情報が行き届いていないなどの傾向が見られた。病院など関係機関が連携して被害者支援を進める必要がある」としている。

 調査は2005年に続き2回目。アンケートは08年6月、男女3000人を対象に行い、1088人(36.3%)が回答した。うち女性は647人。

◎首にのこぎり/裸で外に/現金持たせず…すさまじい暴力浮き彫り

 今回の調査では、暴力の実態などを把握するため、被害を受けた女性10人への面接も初めて行った。被害者の話からは、配偶者やパートナーによるすさまじい暴力の一端が浮き彫りになった。

 面接調査は、被害者支援を行う市民グループ「仙台女性への暴力防止センター(ハーティ仙台)」が協力、仙台市などに住む20〜50代の女性に聞き取りを行った。

 「肋骨(ろっこつ)3本、前歯5本を折られた」(30代)、「首にのこぎりを当てられ、壁に押しつけられた」(30代)などの暴力のほか、セックスを断った40代女性は、寒い季節に裸で外に出された。

 このほか、「逃げ出さないよう現金を持たされなかった」(30代)など経済的に虐げられる事例も多く、生活費を渡さない、パート代を取り上げられるという人もいた。

 支援に対する要望で最も多かったのは広報啓発の充実。「病院で見たパンフレットで自分がDV被害者だと気付いた」「子ども時代から学校や病院で正しい知識を教え、被害者を発見して適切に保護してほしい」などの回答があった。

 被害者保護のための民間シェルター(一時避難所)など「施設の充実・増設」、「金銭的支援」「住宅支援」を望む声も多かった。


2009年07月05日日曜日

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