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【パチンコ店放火】「借金300万円あった」と供述
大阪市此花区四貫島のパチンコ店「cross−ニコニコ」が放火され、4人が死亡、19人が重軽傷を負った事件で、殺人容疑などで逮捕された此花区春日出北、職業不詳、高見素直(すなお)容疑者(41)が、「消費者金融の借金が300万円あった」と供述していることが7日、捜査関係者への取材でわかった。高見容疑者は以前、このパチンコ店にたびたび出入りしていたほか、「最近は仕事がない」と話しており、此花署捜査本部は経済的な困窮が犯行の引き金になった可能性もあるとみて生活実態を調べている。
また、高見容疑者は犯行後、しばらく現場にとどまって店が焼ける様子を見届けていたことも判明。中国地方への逃走中、「テレビで被害状況を確認した」と供述しているといい、捜査本部は事件後の行動についても詳しく調べる。
捜査本部などによると、高見容疑者は以前、大阪市福島区の運送会社に勤務していたが、最近は仕事もなく収入も途絶えた状態だった。ただ、自宅マンションの家賃など5万5千円は滞納することはなかったという。
一方、高見容疑者は犯行当日の5日、JR岡山駅前のビジネスホテルに偽名で宿泊していたことも判明。翌日、山口県警岩国署に出頭した。
この際、服装はジーパンや黒い靴をはき、犯行時とほぼ同じだった。持っていたショルダーバッグには現金約6万円入りの財布が入っているぐらいで着替えはなく、逃走には計画性がうかがえないという。
また、放火した際、爆発的に燃焼する「爆燃現象」が発生し、複数の客の服が燃えるなどしたにもかかわらず、高見容疑者自身にはけがはなかったという。
捜査本部の調べに対し、高見容疑者は「自転車でガソリン入りの携行缶を運んだ」と説明しており、自転車は6日午後、パチンコ店北側で発見された。放火した後、自転車を置き去りにして自宅まで徒歩で帰宅したとみられる。発生直前、前かごに携行缶を入れた自転車にまたがって店内の様子をうかがう高見容疑者とみられる男が目撃されていた。