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【政治】

成田に新誘導路 未買収地迂回しはみ出し 国交省など方針

2009年7月4日 夕刊

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 成田空港で今秋、二千五百メートルで利用が始まる二本目の滑走路(暫定滑走路)に、ターミナルと結ぶ三本目の誘導路を設ける。国土交通省と成田国際空港会社が方針を固めた。建設中を含め誘導路は現在二本あるが、効率や安全面で問題があるとの批判があり、新誘導路はこうした問題をある程度解消し、発着可能な便数を増やせる。今月末にも地元自治体に計画を説明する。

 新誘導路は、滑走路南側に設ける。空港会社幹部によると長さ五百メートルほどで、第二ターミナル北側の駐機場付近から北に延びる。

 暫定滑走路は二〇〇二年に二千百八十メートルで利用開始。今年十月二十二日にジャンボ機が離着陸できる長さになる。

 現在の誘導路は空港反対派の畑などを避けるため、「へ」の字に曲がっている。滑走路上の旅客機に翼が当たる危険を回避するため「へ」の部分で一時停止を強いられたり、到着機と離陸機が交互にしか通れなかったりするなど、発着処理能力の低さが増便できない要因になっていた。

 今月中にも運用される二本目の誘導路も滑走路南端を横切り、離着陸の間は一時停止を余儀なくされる。

 ただ、新誘導路も未買収地を避けて迂回(うかい)するため、一部が空港の敷地をはみ出す。「反対運動を解決しないと、いびつな空港のままで抜本的対策にはならない」と指摘する国交省関係者もいる。用地のめどは立っており、今後は航空灯火用の変電所移設工事や空港の建設計画変更の許可申請などが必要だ。

 

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