2009.07.05
NEW【駄文・7/5】泉谷しげるに「男」を見た!
【何故、こんな時代に…】
何故、こんな時代に
頑張れないのか
何故、こんな時代に
頑張らないのか
口煩いぜ、見飽きた励ましの言葉は
今更オマエの口から聞きたくない
歳を取ったかい、いつもの顔付きが優しいぜ
受け売りの言葉など横に置け
何か起こせる口だけのフリは、見抜かれる
気付くのが遅いのか早いのか
何故、こんな時代に
頑張れないのか
何故、こんな時代に
頑張らないのか
口喧しく、いつまで言う事はないだろう
イラつく俺は、オマエの目を見ない
それでも止めずに、素顔に迫ってくる気かよ
俺だけが引いたラインを超えてくる
何もかも見棄てたフリしても、見抜かれている
気付くのが遅いのか早いのか
何故、こんな時代に
頑張れないのか
何故、こんな時代に
頑張らないのか
命を賭けて答えを出すのは、戦う相手が強いから
目覚めるのが遅いのか早いのか
何故、こんな時代に
頑張れないのか
何故、こんな時代に
頑張らないのか
(作詞・作曲/泉谷しげる)
泉谷しげる…。
1970年代、吉田拓郎や井上陽水と並び「フォーク御三家」などと呼ばれたソングライターである。
だが1979年、TVドラマ「戦後最大の誘拐事件 吉展ちゃん事件」でいきなり犯人役を演じ、役者として大絶賛されたのを期に役者としても活躍するようになった。
80年代に流行したトレンディドラマでこそ剽軽な亭主役をこなしたが、以後は自ら好んで悪役や穢れ役を演じた。最近ではTVドラマ「電車男」の痴漢役で注目を浴びた。
私はそんな泉谷が嫌いではなかったが、やはり彼は「歌を棄ててしまった」のかと寂しい思いを抱いていた。
70年代の泉谷のソングライターとしての個性は際立っていた。「春夏秋冬」「春の空っ風」「北国からきた手紙」「シンデレラの毒リンゴ」などの名曲と共に挑戦的かつ過激な反体制的な楽曲も彼の十八番だった。
高校中退後、職を転々とし、また幼少期に患った小児麻痺の影響で足が不自由ながらも常に前向きに生き続けた結果「フォークソング」に辿り着いたという。
75年には拓郎、陽水、小室等と共に「フォーライフレコード」設立のメンバーに加わったが、極めて強い個性と組織嫌いから「フォーライフ」を離れ、これを期に彼の楽曲はフォークからロック色を強めていく…。
確かに私は泉谷が「吉展ちゃん事件」に出演した時、泉谷しげるという「男」の強さに感動した記憶がある。「吉展ちゃん事件」の犯人も足が不自由だった。それを泉谷はそのまま演じたのだ。本来ならば自分のマイナス、コンプレックスは可能な限り隠したい、触れられたくないと思うのが本来の人間の感情だと私は思っていた。しかし彼は足の不自由さを堂々と演技の中に晒したのだ。
何故、こんな時代に
頑張れないのか
何故、こんな時代に
頑張らないのか
口煩いぜ、見飽きた励ましの言葉は
今更オマエの口から聞きたくない
歳を取ったかい、いつもの顔付きが優しいぜ
受け売りの言葉など横に置け
何か起こせる口だけのフリは、見抜かれる
気付くのが遅いのか早いのか
何故、こんな時代に
頑張れないのか
何故、こんな時代に
頑張らないのか
口喧しく、いつまで言う事はないだろう
イラつく俺は、オマエの目を見ない
それでも止めずに、素顔に迫ってくる気かよ
俺だけが引いたラインを超えてくる
何もかも見棄てたフリしても、見抜かれている
気付くのが遅いのか早いのか
何故、こんな時代に
頑張れないのか
何故、こんな時代に
頑張らないのか
命を賭けて答えを出すのは、戦う相手が強いから
目覚めるのが遅いのか早いのか
何故、こんな時代に
頑張れないのか
何故、こんな時代に
頑張らないのか
(作詞・作曲/泉谷しげる)
泉谷しげる…。
1970年代、吉田拓郎や井上陽水と並び「フォーク御三家」などと呼ばれたソングライターである。
だが1979年、TVドラマ「戦後最大の誘拐事件 吉展ちゃん事件」でいきなり犯人役を演じ、役者として大絶賛されたのを期に役者としても活躍するようになった。
80年代に流行したトレンディドラマでこそ剽軽な亭主役をこなしたが、以後は自ら好んで悪役や穢れ役を演じた。最近ではTVドラマ「電車男」の痴漢役で注目を浴びた。
私はそんな泉谷が嫌いではなかったが、やはり彼は「歌を棄ててしまった」のかと寂しい思いを抱いていた。
70年代の泉谷のソングライターとしての個性は際立っていた。「春夏秋冬」「春の空っ風」「北国からきた手紙」「シンデレラの毒リンゴ」などの名曲と共に挑戦的かつ過激な反体制的な楽曲も彼の十八番だった。
高校中退後、職を転々とし、また幼少期に患った小児麻痺の影響で足が不自由ながらも常に前向きに生き続けた結果「フォークソング」に辿り着いたという。
75年には拓郎、陽水、小室等と共に「フォーライフレコード」設立のメンバーに加わったが、極めて強い個性と組織嫌いから「フォーライフ」を離れ、これを期に彼の楽曲はフォークからロック色を強めていく…。
確かに私は泉谷が「吉展ちゃん事件」に出演した時、泉谷しげるという「男」の強さに感動した記憶がある。「吉展ちゃん事件」の犯人も足が不自由だった。それを泉谷はそのまま演じたのだ。本来ならば自分のマイナス、コンプレックスは可能な限り隠したい、触れられたくないと思うのが本来の人間の感情だと私は思っていた。しかし彼は足の不自由さを堂々と演技の中に晒したのだ。
泉谷しげるには多くの伝説が残されている。
ケンカ・暴力沙汰に明け暮れていた吉田拓郎に唯一タメで張り合い殴り合いで勝った(一説では引き分けとも言われるが)のも泉谷だという。なぎら健壱も当時の荒くれミュージシャンの中で最もケンカが強かったのは泉谷だと言っている。
そんな泉谷の強さはケンカだけではなかった。人間としての本質的な「強さ」を有していたが故に、彼は俳優として悪役・穢れ役を好んだのだ。本当の泉谷は極めて繊細で優しい。それは彼の楽曲のそこかしこから伺う事が出来る。
しかし…。
繰り返すが私は彼が歌を棄てたと思い込んでいた。それが残念でならなかった。
ところがミュージシャン・泉谷は健在だった。40年前と変わらず、現在も強烈なメッセージソングを唄い続けていたのだ。
冒頭で紹介した「何故、こんな時代に…」はそんな楽曲のひとつである。
本当に優しい男は外見だけでは判断などつきやしない。粗野で暴力的で無頼派を気取る人間…つまり偽悪者こそが、そして「強い」男こそが本当の優しさを知っている。
芦原英幸や松井章圭もそうだ。
泉谷しげる…まさに男が聴くべき最高のミュージシャンである。
(了)
ケンカ・暴力沙汰に明け暮れていた吉田拓郎に唯一タメで張り合い殴り合いで勝った(一説では引き分けとも言われるが)のも泉谷だという。なぎら健壱も当時の荒くれミュージシャンの中で最もケンカが強かったのは泉谷だと言っている。
そんな泉谷の強さはケンカだけではなかった。人間としての本質的な「強さ」を有していたが故に、彼は俳優として悪役・穢れ役を好んだのだ。本当の泉谷は極めて繊細で優しい。それは彼の楽曲のそこかしこから伺う事が出来る。
しかし…。
繰り返すが私は彼が歌を棄てたと思い込んでいた。それが残念でならなかった。
ところがミュージシャン・泉谷は健在だった。40年前と変わらず、現在も強烈なメッセージソングを唄い続けていたのだ。
冒頭で紹介した「何故、こんな時代に…」はそんな楽曲のひとつである。
本当に優しい男は外見だけでは判断などつきやしない。粗野で暴力的で無頼派を気取る人間…つまり偽悪者こそが、そして「強い」男こそが本当の優しさを知っている。
芦原英幸や松井章圭もそうだ。
泉谷しげる…まさに男が聴くべき最高のミュージシャンである。
(了)
samurai_mugen at 08:19
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