アメリカのオバマ大統領が、週明けにロシアを訪問します。首脳会談の焦点は、新たな核戦力削減交渉ですが、ロシアの「切り札」となる最新鋭弾道ミサイルの映像を入手しました。
ロシア中央部から6000キロ離れたカムチャツカ半島に向けて発射されたミサイル。ロシアが数年前から実戦配備を始めた最新鋭の大陸間弾道ミサイル「トポリM」です。
射程1万キロ、核弾頭搭載可能なこのミサイルは、トレーラーで自由に発射地点を変えられるほか、落下時にも軌道を変えることができるため、迎撃ミサイルでも撃ち落とすことが不可能とされています。
「(このミサイルの)戦闘能力が向上することで、今の複雑で変化の激しい世界の中で、我々の指導部がもっと自由な政治的判断を下すことを可能にするだろう」(ユーリ・ソロモノフ主任設計者)
6日に行われるオバマ大統領とメドベージェフ大統領の首脳会談では、「START1」に代わる新しい戦略核兵器の削減交渉が焦点となります。
超大国の座を滑り落ちたロシアにとって、アメリカと唯一、相対な立場で交渉できるのが戦略核兵器の問題です。「トポリM」の存在は、アメリカと「対等なロシア」を演出したいメドベージェフ大統領にとって、唯一の「切り札」といえます。
会談では、経済危機問題やアフガニスタンにおける協力などで前進が見込まれる一方、イラン情勢やMDの欧州配備問題では厳しい対立も予想されています。首脳会談は2人だけの話し合いも含めて、6日の午後一杯行われる見込みです。(04日03:10)