北九州市は2日、市議会保健病院委員会で、市立医療センター(小倉北区)の経営状況を明らかにした。みずほ情報総研(東京都)の分析で、入院を待つ患者が多い一方で病床稼働率は低く、入院収入が減少している現状が浮き彫りになった。空き病床の有効利用など入院患者数の増加に向けた改善案も指摘。市病院局は「有益な改善案は早く実施したい」としている。【松田栄二郎】
市病院局によると、同医療センターは常時200~250人が入院待ちの状態。しかし07年度の病床稼働率は79・8%で、同規模の石川県立中央病院(82・3%)や横浜市立市民病院(88・1%)より低い。平均在院日数は入院患者1人あたり19・3日と長いため1日平均の入院費が低く、入院収入は2病院を下回る。昨年度は医師不足などで患者数が伸び悩み、約5億円の赤字となる見通し。
報告書は、病室の空き状況を把握し割り振る担当者の配置や、地域の医療機関と積極的に情報交換し受け入れ患者を増やすことなどを提案。さらに在院日数を短縮するため手術後の転院や在宅医療の支援のほか、薬品や医療材料の購入から管理・運搬のすべてを民間委託する案も示した。
医療センターは4月、病床の空き状況を管理する病床管理専任看護師を配置している。
〔北九州版〕
毎日新聞 2009年7月3日 地方版