2009年7月3日11時35分
警察署内の女子トイレを盗撮したとして、愛知県警は3日、中村署地域課の男性巡査長(38)を建造物侵入と県迷惑防止条例違反(盗撮行為)の疑いで名古屋地検に書類送検し、停職1カ月の懲戒処分とした。巡査長は3日付で辞職した。動機について巡査長は「女性警察官が用を足しているところを撮りたかった」などと供述しているという。
県警の不祥事は、守山署の副署長による飲酒運転(5月)、蟹江署員の児童買春(6月)と続いている。
発表によると、巡査長は今年3月中旬、中村署6階の女子トイレに不正に侵入し、トイレ内個室に隠れて、隣の個室に入った女性警察官を携帯電話の動画機能を使って撮影した疑いがある。女性はトイレに入ってすぐに、仕切りの上から携帯電話がのぞいていることに気づき、外で待ち伏せし、出てきた巡査長を詰問したところ認めたという。
調べに対して、巡査長は「07年12月下旬から7、8回、署内のトイレで盗撮した」と供述。携帯電話を解析したところ映像はすべて消去されていたが、復元作業をしたところ3件の映像があったという。
加藤僚首席監察官は「職員の身上指導と職務倫理教養を繰り返し、再発防止を徹底する」とコメントした。上司の責任については「個人の性癖までは把握できない」として問わないという。
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愛知県警の不祥事が相次いでいることについて、原山進警務部長は3日の県議会議会運営委員会で「誠に情けない事案。様々な対策を講じているのに多発するのは徹底されていないからだ」と述べ、本部長の特命で全署監察を実施する方針を明らかにした。