【事務所報告】学術セミナー開催で得られたいくつかの成果

Mon, May 11, 2009 Theme: ブログ stanford2008の投稿

【桜井淳所長コメント】学術セミナー開催で得られたいくつかの成果のうちのひとつは、モンテカルロ基礎理論セミナーや計算セミナーに計3回参加した東大大学院工学研究科原子力国際専攻D3(現在)の矢形朋由さんを日本原子力学会「最適モンテカルロ計算法」研究専門委員会(主査桜井淳)の委員と同「未臨界実験データ評価」研究専門委員会(主査桜井淳)の委員に抜擢したことです。委員の資格は、最低、矢形さんくらいの経歴と実力を有すること、あるいは、大学・研究機関・企業で10年以上の勤務経験があって複数の原著論文・研究報告書・技術報告書の業績があることです。これまで、原子力研究施設や核燃料サイクル施設の安全審査にモンテカルロ輸送計算の採用に積極的でなかった東大から委員を出せたことは大きな成果と位置づけています。二番目の成果は、最近の第28回モンテカルロ基礎理論セミナーに参加する東大大学院工学研究科原子力国際専攻D1年のT.Oさんに対し、「最適モンテカルロ計算法」研究専門委員会第12回会合(2009.6.23、原子力学会会議室)で1時間の講演「高エネルギー放射線場における放射化のFLUKAを用いた評価」の機会を与えたことです。T.Oさんにその機会を与えた理由は、第28回モンテカルロ基礎理論セミナーに参加するに当たり、私とのメールのやり取りの過程から、それ相当の知識とモンテカルロ計算(MCNP,EGS,FLUKA,PHITS)の経験があることが確認され、オリジナリティのある研究発表でなく、応用計算例としてなら、委員会での発表に値すると判断したためです。T.Oさんの実績では、まだ、委員は無理ですが、その一歩手前の常時参加者(開催案内を受け、会合に出席でき、討論も自由にできます)として、委員会に参加してもらい、その後、D2になったら、本人の意思を確認後、委員に抜擢することを考えています。東大から2名も委員にできれば大きな成果です。三番目は、モンテカルロ基礎理論セミナーに参加したJANUSの浅野和仁さんを「最適モンテカルロ計算法」研究専門委員会と「未臨界実験データ評価」研究専門委員会の常時参加者にしたことです。浅野さんは、30歳台半ばの国大卒のエンジニアで、大変優秀でした。四番目は、数年前になりますが、当時、京大大学院工学研究科M2に在学していた大西世紀さんが、モンテカルロ基礎理論セミナーに参加し、その後、国土交通省の船舶技術研究所(現、海上技術研究所)に就職して遮蔽研究を担当し、必要により、遮蔽計算セミナーにも参加しましたが、M2当時と就職後のセミナーでの対応が非常に良く、優秀であったため、研究所での実績を考慮し、いまの委員会の前の委員会「モンテカルロ計算高度化」研究専門委員会の委員にしました。そして、今の委員会にも引き続き委員として参加していましたが、原研のFNS(核融合中性子研究施設)に出向になり、委員辞退の申し出がありました。FNSからはすでに委員がひとり出ていたため、辞退しなければならない立場にありました。出向後、また、元の研究に復帰した時には、委員を依頼します。委員や常時参加者は、セミナー参加者なら誰でもなれるわけではなく、10人に1人の特に優秀な人しかなれません。委員の目安は学位取得が可能な実力かそれに近い条件を備えていることです。以上の方々の他にも委員や常時参加者での参加要請をしましたが、業務との関係で、組織から許可が得られず、実現できなかった例もありました。五番目の成果は、現在、「最適モンテカルロ計算法」研究専門委員会で分担執筆中の学部生・院生・研究者を対象とした標準的教科書「原子力工学のためのモンテカルロ輸送理論」(原子力学会から刊行予定)の目次・内容を決めるためのバックグラウンドになったことです。六番目は、セミナーで得た研究成果を数編、原子力学会和文論文誌や国際会議プロシーディングに論文として投稿し、掲載(本欄バックナンバー参照)されたことです。その他、原子力学会研究専門委員会の成果報告書に数回、分担執筆(本欄バックナンバー参照)しました。七番目は、弘道館・自然探訪セミナー開催のために集めた文献を基に、将来、著書がまとまるレベルに達したことです。・・・・・・、反面、有料セミナーは、世界不況の原因となったサブプライム問題が発生した2007年秋頃から本格的に開始したため、まだ、事務所のビジネスとして、採算の合うレベルには達していませんが、大学院で行うようなセミナー内容をカバーしており、現に、院生の参加が多いため、今後、最低でも数年間継続し、いくらボランティアと言えども、ぎりぎり、採算が合うようにしなければなりません。

【事務所報告】今後のブログ内容-事務所の学術的HPとしての内容に限定-

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ブログを開設してまる1年が経過しました。計画した第一期工事は予定通り無事完了しました。5月から1年間の予定で第二期工事に入りますが、これまでと異なる点は、以下のとおりです。


(01)より読み易いレイアウトへ変更(最初はデフォルト利用、最終的にはオリジナル化)します。

(02)ボランティアの第三者に依頼してある米国版HP(工事中ですが暫定公開中)の完成を目指します。

(03)事務所スタッフが多忙のため、更新頻度は、特別なことがない限り、月1回にします。なお、約1年経過した3月から更新頻度の急減対策を実施してきました。

(04)記載内容は、非常に簡潔に、①事務所報告、②セミナー開催案内と実施報告、③桜井学校活動報告、④桜井所長講演要旨報告のみとします。

(05)更新頻度が少なくなるため、更新担当者はスタッフ1名(ただし、ボランティアの外部協力者2名)とします。

(06)桜井所長は、これまでの事務所業務、学術セミナー、原稿執筆、一般講演、大学講演に加え、今年度から、東大(駒場に加えて本郷も追加)と米大学(西部2大学と東部1大学)での作業量が増えたことにより、健康を最優先しなければならないため、また、ブログ立ち上げの1年間の約束期間が過ぎたことから、特別なことがない限り、ブログには、一切、関与しません。

(07)桜井所長とスタッフの個人ブログは開設しない方針です(過去に、試験的に、桜井淳個人ブログ「新・市民的危機管理入門」を開設しましたが、目的を達成したために、予定どおり1年間で閉鎖しました)。

(08)このブログには、これからも、個人情報保護法の遵守のために、スタッフ・関係者・顧客の個人情報や経営内容の詳細については、一切、触れない方針です。桜井所長は、社会で広く仕事をしている公人ですが、スタッフは、私人です。よって、私人の個人情報を公表する必要は、ありません。

(09)このブログは、世の中にあるごく普通のブログではなく、事務所の学術的HPの役割を果たしているために、日常生活等にかかわることについては、これまでどおり、一切、触れない方針です。日常生活や事務所のメカニズムが分かるような表現は、これからも、一切、しません。事務所関係で公表することは学術セミナー開催案内のみです。18セミナーのうち、16セミナーの開催日数は1日(5.5時間)、2セミナーについては2日(11時間)です。全体系をていねいに説明するためには、最低でも1週間かかります。1日や2日では、特に重要な部分の考え方のみですが、テキストやそれに記載されている文献を基に、参加者各自が深く考察できるように配慮しています。参加者には、セミナー修了後でも、桜井所長のメール対応によって、質問に答えたり、助言を継続しています。

(10)これまでのところ三つの事務所は桜井所長の夢をかなえる人材養成の学術ボランティア組織に近い組織です。極端な表現をすれば、主に、桜井所長が仕事しやすい環境を整えて支援する組織です。学術セミナー開催の業務もその一環です。

(11)記載内容についての疑問や質問には、いつでも回答しますので、右欄の「メッセージを送る」をクリックして(アメーバ会員の手続きが必要で、受信者にはユーザーIDが表示されます)、メールにてお願いします。


2009.5.23補足

(12)学術セミナー参加者の氏名と組織名は、原子力学会メーリングリストをとおして開催案内しているために、機密情報ではありませんが、個人情報保護法の遵守のために、今後、絶対に、公表しない方針です。その理由は、2009年2月23日に開催された「第27回モンテカルロ基礎理論セミナー」に参加した阪大助教から、個人情報保護法の遵守に基く実名削除願がありましたので、真摯に受け止め、削除しました。事務所スタッフはセミナー参加者にマイナス要因が加わらないように常に配慮して行きます。

2009.6.30補足

(13)メルマガ会員(現在約30名、主に大学・新聞社・出版社の関係者)には6月末から月1回の「桜井淳所長&事務所の月別実施事項」を発信しています。

【事務所報告】準備中の学術セミナーの実施内容-荷電粒子照射ガン治療モンテカルロシミュレーション-

Thu, April 23, 2009 Theme: ブログ stanford2008の投稿

【事務所報告】6月下旬と7月下旬に開催される各種学術セミナーの実施内容

Thu, April 23, 2009 Theme: ブログ stanford2008の投稿

桜井淳所長から親しい友人のX先生への手紙 22-第28回モンテカルロ基礎理論セミナーの申込者-

Thu, April 23, 2009 Theme: ブログ stanford2008の投稿

X先生



各種モンテカルロセミナーには、東大大学院の修士課程や博士課程の学生だけでなく、教員も参加しています。博士課程で特に優秀と判断した学生に対しては、特例として、日本原子力学会「最適モンテカルロ計算法」研究専門委員会(主査桜井淳)の委員に抜擢しています。東大からの申込者は、いまでも続いていおり、5月28-29日に開催される「第28回モンテカルロ基礎理論セミナー」にも、原子力国際専攻の院生T.O(セミナー事務局担当者に拠れば、申し込みのメールには、氏名と研究室名と住所・電話番号だけのために、最初、教員と解釈したようですが、東大HPで大学院工学研究科原子力国際専攻の教員名を検索したところ、該当者がいませんでしたので、修士課程か博士課程の院生と判断したようです)から申し込みがありました(補足1)。T.Oについても、この分野に興味を持って、深く関与していただき、もし、特に優秀であれば(連続エネルギーモンテカルロ計算コードMCNP、電磁カスケードモンテカルロ計算コードEGS、高エネルギーハドロン輸送モンテカルロ計算コードFLUKA、高エネルギー粒子・重イオン輸送モンテカルロ計算コードシステムPHITSの利用経験があるとセミナー事務局担当者に回答していましたから、その経験の深さをよく解釈すれば、上中下のクラス分けで、できのよい上クラスに位置づけられます)、その熱意を強く感じられるならば(当日のやり取りで読み取れます)、ぜひ、また、特例として、委員に抜擢したいと考えています。東大の院生だから抜擢するのではなく、どこの大学でも企業でも、特に優秀であれば、特例扱いして、委員に抜擢する方針です。いまのうちから大学院の学生を教育し、この分野に関心を持っていただき、将来を背負っていただきたいと念願しています。これまでモンテカルロ輸送計算に冷たかった東大から多くの申し込みがあり、そのうち特に優秀なひとには(東大大学院博士課程の院生で複数の原著論文があり、特に、優秀であれば、委員になれる資格はあると思います)、委員としてこの分野の将来を担っていただきたいと期待しており、このことは、まさに、私が、長い間、意図していたことが、いまの状況からすれば、10年弱で徐々に実現しつつあるということになり、これこそ"パラダイム転換"であり、これ以上うれしいことは、ありません。いまの委員会に東大から3名くらいの委員を入れ、将来、日本のこの分野を背負っていただきたいと念願しています。なお、モンテカルロ基礎理論セミナーへの大学からの参加者は、有料にしてから、2007年に東大大学院工学研究科博士課程1年の矢形朋由さん(各種モンテカルロセミナーに3回参加して、熱心であり、特に優秀であったため、2008年の博士課程2年の時に委員に抜擢し、すでに、昨年、委員会で1回講演しています、現在、博士課程3年在学)、2008年に京都大学原子炉実験所助教の今中哲二さん、2009年では4月までに武蔵工大大学院工学研究科博士課程2年の羽倉尚人さん(本欄バックナンバー参照)と阪大助教(本欄バックナンバー参照)です。モンテカルロ基礎理論セミナーは、2002年から、年間数回の割合で開催しており、モンテカルロ分野に関心を持つひとの数が少ないため、多くの参加は期待できませんが、それでも、毎年、確実に申し込みがあり、それも、東大の院生の数が多く、それだけでも十分に手ごたえを感じる安心材料です。最終的には、院生からだけでなく、教員や企業エンジニアも対象に含めて、全体で数名を委員を抜擢したいと考えています。委員になりたいひとは、各種モンテカルロセミナーに参加して、それとなく、控えめに、特に優秀であることを示すのもひとつの方法です。セミナーでのやり取りの中で、もし、優秀であれば、少数対象ですから、絶対に、見逃すはずはありません。少数セミナーは、ビジネスにはなりませんが、利点は、ただひとつ、このようなことができることです。しかし、ビジネスを忘れたわけではありません。モンテカルロ基礎理論セミナーの参加費は、2日間で、最初10,000円でしたが(2007)、それでも申込者が続いたため、強気になり、つぎに、30,000円にしましたが(2008)、まだまだ続いているため、もっと上げてみようと思っており、50,000円くらいを考えています。私の計算セミナーに参加した中部電力エンジニアの稲垣博光さんと渡辺将人さんは、「企業は、どうしても必要とあれば、50,000円でも100,000円でも出す」と言っていましたから、その言葉に勇気づけられ、最終的には、個人参加者には負担になりますが、主に、企業所からの参加者を対象に、100,000円まで上げようと考えています。


(補足1)私と院生T.Oのメールのやり取りから(2009.4.27)、T.Oは、D1在学中であることが確認されました。よって、少なくとも、あと、1年間、勉強と研究をして、D2かD3になって、しかも、複数の原著論文があって、学位審査に手の届く位置になければ、委員になれる資格がありません。委員になるには、モンテカルロ計算コードの入力を作成して、自身で数百回くらいバッチ処理と計算結果の評価経験がなければ、話になりません。


(補足2)日本原子力学会メーリングリストをとおして開催案内した学術セミナーの参加者氏名は、機密情報ではありませんが、個人情報保護法を遵守するため、できるだけ公表しないようにしています。個人情報を公表することによって、セミナーの透明性は証明できますが、反面、そのようなことを好まない参加希望者が敬遠する傾向が生じ、人材養成のためには、さらに、ビジネスのためには、明らかにマイナスになります。そのようなことを憂慮して公表しませんでした。セミナーの透明性の証明のため以外の目的では今後もできるだけ公表しない方針です。2000年以降の約600名(初回の夏期セミナーに参加した約120名の氏名・組織名は研究所報告書の附録として公表済み、本欄バックナンバー参照)の氏名・所属組織・申し込み時のメール内容を知りたいひとは、事前に、閲覧の目的と日時を明記した申込書(氏名・所属組織名・住所・電話番号・メールアドレス)さえ提出すれば(いわゆる信頼性の証明)、閲覧者の信頼性を確認後、特定の者への限定閲覧として、桜井淳水戸事務所で閲覧することができます(本欄バックナンバー参照)。


(補足3)2009.5.25に阪大助教から個人情報保護法の観点から実名削除願がありました。



桜井淳

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