2009年7月1日5時3分
民主党の鳩山由紀夫代表の政治資金管理団体「友愛政経懇話会」の政治資金収支報告書で、5万円以下などの条件を満たす匿名の個人献金の総額が、03〜07年の5年間で計2億3千万円に上り、国会議員のなかで突出して多いことがわかった。
匿名の個人献金の処理についても、「故人献金」で今回問題になった公設秘書が担当したという。謝罪会見で記者が「5万円以下の匿名献金も一定額ある」と指摘すると、調査にあたった弁護士は「その部分は終わっていない。調査を続ける」と説明した。
政治資金規正法は、政治家の活動資金に透明性を持たせる観点から、献金者の氏名と献金額を収支報告書に記載することを義務づけている。ただし年間5万円以下、税の控除を受けないなどの条件を満たす小口の個人献金者は氏名や住所を記す必要がなく、「その他献金」として合計のみを記載すればよいとしている。
修正前の03〜07年の収支報告書によると、鳩山氏が集める個人献金は年間約5千万〜1億1千万円で、与野党の代表クラスの政治家の資金管理団体と比較しても抜きんでている。ここ5代の自民、民主党の総裁、代表経験者と比較しても(表参照)、総額で突出している。
さらに、鳩山氏の個人献金のうち、匿名の小口献金である「その他献金」は03年が約8千万円、04年約4600万円、05年約4千万円、06年約3700万円、07年約2800万円となっている。年平均で約4600万円は、他の総裁、代表経験者の平均約140万円を大きく上回る。03年は少なくとも1500人以上の匿名者からの小口献金があったことになる。
「その他献金」の扱いは法にのっとった処理であり、それ自体に問題はないが、今回の「故人献金」のように実際に献金したかどうか、第三者が直接確認することはできない。
鳩山氏は企業団体献金を禁止して個人献金を推進する立場。税額控除を強化するよう主張もしている。自らの場合は、税額控除の対象とならない匿名献金が多いという矛盾を抱えた格好だ。