JA新潟厚生連は30日、医療法人博医会が運営し経営が悪化している「新潟こばり病院」(新潟市西区小針)を、10月に買収すると発表した。現在の全27診察科とベッド数404床は維持し、医師の補充や機器の整備を進め、長岡中央総合病院と並ぶ拠点病院化を目指す。
買収金額は約29億円で、博医会から負債は引き継がず、同病院と、併設の介護老人保健施設など計4施設を買い取る。10月から入院患者、入所者をそのまま引き継ぎ、新潟医療センター(仮称)へ移行する。
約650人の職員のうち、約50人の医師は今より増やす方針だが、ほかの職員は厚生連の基準に照らすと過剰だとして、今後100人程度を削減するという。
こばり病院は、診療報酬の低下などで経営が悪化。一方、厚生連は県内に16病院を持つが、新潟市内に拠点病院がなく、県全体の体制整備を狙い、こばり病院の買収を決めた。
買収後、厚生連グループの利点を生かし、経営の効率化や大学病院からの医師の受け入れなどを進め、再建を図るという。【小川直樹】
毎日新聞 2009年7月1日 地方版