民主党の鳩山由紀夫代表の資金管理団体「友愛政経懇話会」(友政懇)が政治資金収支報告書に虚偽の記載をしていた問題で、友政懇が98~07年の10年間に受け取った個人献金は総額約5億9000万円に上ることが分かった。このうち「5万円以下」の条件を満たす匿名献金が6割を占めている。鳩山代表は30日の会見で、虚偽記載の背景について個人献金の少なさを挙げたが、説明に矛盾が生じている。
政治資金収支報告書などによると、友政懇は98~07年に年間約2700万~1億1000万円の個人献金を受けていた。匿名献金は毎年約560万~8200万円献金されており、10年間の総額は3億4000万円に上る。特に03年(8200万円)は個人献金全体の約74%を占めていた。政治資金規正法では、年間5万円以下の献金については、氏名などの個別記載の必要がない。
鳩山代表は30日の会見で、秘書が05~08年の収支報告書に、故人や実際には献金していない約90人から計2178万円の個人献金を受けたとの虚偽の記載をしていたことを認めた。理由について「私への個人献金が少なかったので、それが分かったら大変だったという思いがあったと推測している」と釈明した。しかし個人献金、とりわけ匿名献金の総額は他の国会議員に比べて突出して多い。【杉本修作、松本光央】
毎日新聞 2009年7月1日 13時17分