アメリカは29日、核兵器用の大陸間弾道弾(ICBM)の発射実験をオバマ政権発足後初めて実施した。オバマ大統領の核廃絶演説から3か月たったが、核兵器を搭載するミサイルの実験は続けられている。 今回発射されたのは、アメリカに唯一残っている核兵器用ICBM「ミニットマン3」。地下サイロに格納されており、カリフォルニア州ヴァンデンバーグ空軍基地から約8700キロ離れたマーシャル諸島のクエゼリン環礁に向かって打ち込まれた。着弾までわずか30分という。
一回の実験には20億円の費用がかかるが、開発から30年たつミサイルの性能を維持するためには実験は不可欠という。アメリカは現在、「ミニットマン3」を450基配備している。世界で核の脅威がなくならない限り、実験も続く。
基地の外では、実験に反対する集会が開かれ、参加者は「オバマ大統領には『核兵器はいらない』という最初の大統領としてすごく期待しています」「こうしたミサイルは、核廃絶に逆行しています」と話していた。