東広島市の広島少年院(佐藤公昭院長)の法務教官4人が特別公務員暴行陵虐容疑で逮捕された事件で、院内の寮単位で教官が共有していた書類に、収容少年への暴行や不適正な処遇に関する記述があったことが29日、関係者への取材で分かった。書類は逮捕された教官以外も読んでいるとみられ、教官同士が暴行などを黙認していた疑いが強まった。
関係者によると、この書類は当直の教官らが使う個室に置かれ、日勤の教官が当直の教官に引き継ぐ事項などをつづっていた。1日の出来事や少年の問題行動、それに対する指導内容などが書かれていたという。
関係者によると、昨年秋ごろには、逮捕された教官の1人が(収容少年に)暴行を加えたという内容を書いていた。大量に水を飲ませたり、腕立て伏せや正座をさせたりしたとの趣旨の記載もあったという。
中国新聞の取材に対し、同少年院を管轄する法務省広島矯正管区は、こうした書類や組織的な黙認の有無について「現在、調査中で、事実関係についてはコメントできない」としている。
教官による暴行は今年4月、収容少年が訴え出て発覚した。4教官を逮捕した広島地検の捜査や中国新聞の取材で、2006年ごろには既に暴行があり、その後、エスカレートした疑いが出ている。
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