第61回全九州高校サッカー大会最終日は22日、大分市の大分スポーツ公園で決勝を行い、東福岡(福岡)が3-0で東海大五(同)を破り、5年ぶり3度目の優勝を果たした。U-18日本代表候補のMF深町健太(3年)が前半9分に先制点を決めるなど、1ゴール1アシストの大活躍。2月の九州新人大会に続く九州制覇で、8月の全国総体へ弾みをつけた。
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●九州新人大会制覇に続いた 目指すは高校3冠
右サイドから2度きた絶好のクロスを、東福岡のMF深町は得点に結び付けた。まずは前半9分に右足で合わせてゴール右隅へ先制弾。同25分には後ろに落とし、走り込んできたFW中尾のミドル弾をおぜん立てした。「1点目は練習通りで2点目は自分でいくつもりだった。たまたまです」。Jリーグ6クラブのスカウトが見つめる中、5年ぶりの九州王座を引き寄せたエースは笑った。
2月の九州新人大会などで目についた消極的なプレーは影を潜めた。4月に開幕したプリンスリーグ九州は得点ランクトップの9ゴール。18日まで4日間開かれたU-18日本代表候補の合宿ではシュート力を評価された。「合宿に来た選手は全員うまかったけど、シュートなら負けないと自信になった。自分から仕掛ける意識も高まった」。この日はシュート1本ながら何度も突破を試み、チャンスをつくった。
チームはプリンスリーグ九州も7戦全勝の首位で、早ければ7月4、5日の2連戦で初優勝を手にする。九州では無敵を誇るが、森重潤也監督は「全国高校選手権を連覇した当時(1997―98年度)の方がまだ個々の力は上。全国総体でどれだけできるか試したい」とさらなる成長を促す。
全国総体、全日本ユース選手権、全国選手権の「高校3冠」と卒業後のJリーグ入りを目指す深町も思いは同じだ。「まだ体力がないので、もっと走り回れるようにしたい」。飽くなき向上心で高校日本一まで上りつめる。
=2009/06/23付 西日本スポーツ=