県は医師不足解消に向け、県内外の医学生を臨床研修に呼び込むための研修ツアーなどを新たに計画している。
県が6月補正予算案に提案したのは、医学部の4、5年生40人を対象に1泊2日で実施する研修「医学生スキルアップキャンプ」の経費164万円。
県医師確保対策推進室によると、今年度県内で臨床研修を受けている75人のうち、秋田大出身が43人(うち県内出身者は22人)。県外の大学出身32人のうち県内出身者は8人で、県内から県外の医学部に進学した学生26人の3分の1程度にとどまる。
「キャンプ」はこうした県外大進学者や県外出身の秋田大生らを県内の臨床研修に誘導し、地元定着を図るのが狙い。宿泊、交通費を県が全額負担し、参加者の希望に応じて臨床研修病院を見学できるほか、大学では学ぶ機会の少ない救急基本手技研修、卒後1~2年の研修医や知事との意見交換会を予定している。
また県は、勤務医確保のため医師専門の求人サイトに秋田の医師募集情報を掲載する新規事業147万円も予算案に計上した。
実際に県内で常勤医になった医師から「募集情報がわかりにくかった」との指摘があったという。
多いときは1日2万6000件のアクセスがある民間サイトに県内の医師募集病院が一覧できるページを作成してもらい、同サイトに広告も掲載する予定。【百武信幸】
毎日新聞 2009年6月27日 地方版