即戦力となる医師の確保のため、県は首都圏で活躍する地元ゆかりの医大教授や民間病院長など6人の医師を「ふるさと石川の医療大使」に任命し、人材情報を集める事業を始める。25日の県議会委員会で明らかにした。7月に委嘱状を渡す。
「医療大使」に内定したのは、大坪毅人・聖マリアンナ医大教授(消化器・一般外科)▽木田厚瑞・日本医大教授(呼吸器内科)▽矢作直樹・東京大教授(救急医学)ら。県内高校の出身、同窓会役員などで豊富な人脈を活用し、Uターン、Iターンを希望する医師などの情報を県の地域医療人材バンクに寄せてもらう。奧能登などの医師不足は深刻で、県健康福祉部の針田哲部長は「地域のニーズと待遇も含めて調整し、1人でも多くの医師を確保したい」と話した。
一方、長期的な医師確保策として、県内高校の医師志望者を増やすため、県は8月に「医学部進学セミナー」を金沢市で開く。昨年度に続き2回目。金沢大の金子周一医学類長、金沢医大の山田裕一学長が、入試制度などについて説明。現役医学生が体験談などを話すほか、予備校講師による小論文・面接対策の講義もあるという。【野上哲】
毎日新聞 2009年6月26日 地方版