2009.06.26 Friday
紫微斗数とインド占星術(1)〜結婚運の悪いEさん〜
紫微斗数とインド占星術は似たところが多い占術という気がする。その昔、ギリシャの古典占星術がインドに伝わり、更にそれが中国に伝わり中国化したものと推測される。或いは西洋占星術がそのまま中国に伝わったのかもしれない。いずれにしても紫微斗数は占星術系の占術に属すると思う。
どのような所が似ているかの例をいくつかあげてみよう。まず紫微斗数もインド占星術も恋愛・結婚に強い占いである点が面白い。次に紫微斗数の命盤に入った星について、「星の光亮度」を見る見方がある。廟、旺、得地、利益、平和、不得地、落陥の7つの順番で強弱を見ていく。これなどはインド占星術で、高揚、ムラトリコーナ、定座、友好、中立、敵対、減衰と7つに分けてみていく見方とあまりにも酷似している。
紫微斗数で命盤を鑑定する際、命宮に対して財宮、官禄宮、遷移宮を重視する三方四正の見方がある。これもインド占星術でトリコーナやケンドラを重要視するのとよく似ている。又、身宮という13番目の宮の存在は、人生の後半を重視するという所から、インド占星術の第9分割図であるナバムシャチャートに性質が似ている。
実際に両方のホロスコープで一人の人物やイベントを見ていったら似たような傾向が出るものだろうかとふと思ったので、何人かのチャートを両方で比較してみた。確かに似たような出方をしていると思う。
![高橋](/contents/020/683/098.mime4)
最近離婚したEさんのホロスコープ
Eさんは2007年に親の反対を押し切って、かなり無理な結婚をした。親が反対した理由は失恋の埋め合わせのやけ糞結婚で、好感のもてる男ではなかったからである。しかし、結婚後は相方としょっちゅうぶつかり、2009年6月、つまりつい最近離婚したばかりである。現在のダシャー期は、土星ー火星期である。土星は5、6支配で強い自己主張によるトラブルを起こしやすい時期である。月はウパチャヤの11室支配で、争いの6室に在住している。土星と月は6−8関係にあり対立の生じる時期である。
Eさんの第7室には、11,12室支配の土星があり基本的に結婚運は悪い。相手に対しても厳しい批判を浴びせる傾向があり、一般的に人間関係はよくない。月からみても7室に逆行の火星があり、やはり結婚運には問題がある。又、土星と火星の2凶星が1室にアスペクトしているので、苦労の多いきつい人生となる。ウパチャヤの6室にラーフ、火星、11室に太陽という凶星があり、これも苦労の多い人生である。その分、Nさんは大変きつい性格となる。第6室のグルチャンダラヨガも大変気になる凶兆である。火星、ラーフは12室在住の月、金星にアスペクトをかける。金星は12室にあって機能的凶星であり、そこにラーフ、火星という凶星のアスペクトを受けているので、この人の男女関係は問題が多い。太陽からみて2室の金星なのでそれなりの美人である。火星は9室にアスペクトバック、木星は10室にアスペクトバックしているので、長期の旅行やそれに伴う職業に幸運度がある。
次に、Eさんの紫微斗数の命盤にもその特徴が出ているかをみてみた。紫微斗数は私の専門ではないので深い読みはできない。しかし、村野大均衡先生と田宮規雄先生の本を参考にしながら、それなりの解釈をしてみた。
![紫微斗数](/contents/020/683/099.mime4)
Eさんの命盤
命宮には七殺が入っているので大変に気性の激しい人である。困難にあってもめげない性格である。ここに紅らん星が一緒なので、容姿はよく男女関係ではなかなかの発展家でもある。結婚運をみる夫妻宮には廉貞星があり、「平」の記号がついているのでよくない。相手は狡賢い面があり騙されやすい。夫婦仲は問題が生じやすくよくない。空虚でむなしい結婚生活である。官録宮に破軍があり、仕事に関してはやり手である。遷移宮には紫微星と天府星が同会し「廟」になっているので、早く家を離れて独立した方がよい。このあたりはインド占星術と共通していて面白い。
数え年24歳から10年間、大限は福徳宮である。ここに武曲があり、人の言うことを聞かない時期である。この時期は命宮は夫妻宮となり、七殺が入るので結婚運が悪い時期になる。2007年の数え年29歳の時、小限が父母宮となる。天同星は「平」であり、化忌星も入っているので親の言うことを聞かずに失敗を招く。三方四正でみても、奴僕に陥の天機、疾厄に陥の太陰があり良くない配置である。2009年の数え年31歳の時は、小限が兄弟宮となる。ここはまあよいが、三方四正をみると、田宅の太陽は陥、奴僕の天機は陥、疾厄の太陰は陥とすべてが悪い。命宮の七殺の悪い影響が強く出る時でもある。離婚してもおかしくない時だと思う。
紫微斗数では多少間違った解釈はしているかもしれない。それでも基本的にインド占星術で同じような出方をするので、面白いと思った次第である。
どのような所が似ているかの例をいくつかあげてみよう。まず紫微斗数もインド占星術も恋愛・結婚に強い占いである点が面白い。次に紫微斗数の命盤に入った星について、「星の光亮度」を見る見方がある。廟、旺、得地、利益、平和、不得地、落陥の7つの順番で強弱を見ていく。これなどはインド占星術で、高揚、ムラトリコーナ、定座、友好、中立、敵対、減衰と7つに分けてみていく見方とあまりにも酷似している。
紫微斗数で命盤を鑑定する際、命宮に対して財宮、官禄宮、遷移宮を重視する三方四正の見方がある。これもインド占星術でトリコーナやケンドラを重要視するのとよく似ている。又、身宮という13番目の宮の存在は、人生の後半を重視するという所から、インド占星術の第9分割図であるナバムシャチャートに性質が似ている。
実際に両方のホロスコープで一人の人物やイベントを見ていったら似たような傾向が出るものだろうかとふと思ったので、何人かのチャートを両方で比較してみた。確かに似たような出方をしていると思う。
最近離婚したEさんのホロスコープ
Eさんは2007年に親の反対を押し切って、かなり無理な結婚をした。親が反対した理由は失恋の埋め合わせのやけ糞結婚で、好感のもてる男ではなかったからである。しかし、結婚後は相方としょっちゅうぶつかり、2009年6月、つまりつい最近離婚したばかりである。現在のダシャー期は、土星ー火星期である。土星は5、6支配で強い自己主張によるトラブルを起こしやすい時期である。月はウパチャヤの11室支配で、争いの6室に在住している。土星と月は6−8関係にあり対立の生じる時期である。
Eさんの第7室には、11,12室支配の土星があり基本的に結婚運は悪い。相手に対しても厳しい批判を浴びせる傾向があり、一般的に人間関係はよくない。月からみても7室に逆行の火星があり、やはり結婚運には問題がある。又、土星と火星の2凶星が1室にアスペクトしているので、苦労の多いきつい人生となる。ウパチャヤの6室にラーフ、火星、11室に太陽という凶星があり、これも苦労の多い人生である。その分、Nさんは大変きつい性格となる。第6室のグルチャンダラヨガも大変気になる凶兆である。火星、ラーフは12室在住の月、金星にアスペクトをかける。金星は12室にあって機能的凶星であり、そこにラーフ、火星という凶星のアスペクトを受けているので、この人の男女関係は問題が多い。太陽からみて2室の金星なのでそれなりの美人である。火星は9室にアスペクトバック、木星は10室にアスペクトバックしているので、長期の旅行やそれに伴う職業に幸運度がある。
次に、Eさんの紫微斗数の命盤にもその特徴が出ているかをみてみた。紫微斗数は私の専門ではないので深い読みはできない。しかし、村野大均衡先生と田宮規雄先生の本を参考にしながら、それなりの解釈をしてみた。
Eさんの命盤
命宮には七殺が入っているので大変に気性の激しい人である。困難にあってもめげない性格である。ここに紅らん星が一緒なので、容姿はよく男女関係ではなかなかの発展家でもある。結婚運をみる夫妻宮には廉貞星があり、「平」の記号がついているのでよくない。相手は狡賢い面があり騙されやすい。夫婦仲は問題が生じやすくよくない。空虚でむなしい結婚生活である。官録宮に破軍があり、仕事に関してはやり手である。遷移宮には紫微星と天府星が同会し「廟」になっているので、早く家を離れて独立した方がよい。このあたりはインド占星術と共通していて面白い。
数え年24歳から10年間、大限は福徳宮である。ここに武曲があり、人の言うことを聞かない時期である。この時期は命宮は夫妻宮となり、七殺が入るので結婚運が悪い時期になる。2007年の数え年29歳の時、小限が父母宮となる。天同星は「平」であり、化忌星も入っているので親の言うことを聞かずに失敗を招く。三方四正でみても、奴僕に陥の天機、疾厄に陥の太陰があり良くない配置である。2009年の数え年31歳の時は、小限が兄弟宮となる。ここはまあよいが、三方四正をみると、田宅の太陽は陥、奴僕の天機は陥、疾厄の太陰は陥とすべてが悪い。命宮の七殺の悪い影響が強く出る時でもある。離婚してもおかしくない時だと思う。
紫微斗数では多少間違った解釈はしているかもしれない。それでも基本的にインド占星術で同じような出方をするので、面白いと思った次第である。