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患者取り違え:08年は報告27件…防止ルール風化か

 大学病院などでの患者の取り違え事故の報告が08年27件に上り、04年10月に報告制度ができてから最も多かったことが、財団法人・日本医療機能評価機構の分析で分かった。患者取り違えは執刀医らが業務上過失傷害罪に問われた99年の横浜市立大病院事件を機に、医療機関で防止のためのルール作りが進んだが、同機構は「ルールが風化している恐れがある」として注意を呼びかけている。

 大学病院や国立病院から機構に寄せられた患者取り違え関連の事故は▽04年10~12月が0件▽05年が10件▽06年が20件▽07年が21件▽08年が27件▽09年1~3月が7件--の計85件。06年10月以降の59件を分析したところ最も多いのは薬剤のミスの26件で輸血と検査が各10件、手術での取り違えも3件あった。

 「患者に名乗ってもらう」「リストバンドを見る」といった各病院が定めたルールを怠ったケースが目立つ。患者名は確認したものの、その後に別の患者に行う処置をしてしまうミスが多かった。処置台などの整理の不徹底が、取り違えを引き起こす要因になることも分かった。【清水健二】

毎日新聞 2009年6月24日 19時52分(最終更新 6月24日 21時54分)

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