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愛された記憶 忘れない

2009年06月23日

写真

取り壊しが始まった日吉館。足を止めてのぞき込む人の姿もあった=奈良市登大路町

  ◆名物宿「日吉館」取り壊し開始

 志賀直哉、会津八一ら多くの文人や学者に愛された奈良市登大路町の旅館「日吉館」(95年廃業)の取り壊し工事が22日、始まった。7月5日ごろまでに更地になる見通しで、奈良の名物宿の最後に名残惜しそうにのぞき込む人の姿もあった。県教委によると、所有者の意向で今後は店舗兼住宅になる予定という。

 土地と建物の所有者が3月、文化庁に取り壊しを申請し、許可が下りていた。この日は午前8時ごろから、破片などが道路に飛ばないよう木造2階建ての建物を覆う作業が始まった。重機が入りにくいため、当面は手作業で解体されるという。日吉館の前を通る人たちは、「この後どうなるの」「保存はされないのか」などと話しながら作業に見入っていた。

 県教委文化財保存課は「過去に保存のためにどうすべきだったか反省はあるかもしれないが、現状は保存を議論する段階を超えている」としている。

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