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骨太の方針:素案 消費増税12%に、社会保障費削減 与党内、異論続々

 ◇「選挙にならない」

 自民、公明両党は10日、政府の経済財政諮問会議が示した「経済財政運営の基本方針」(骨太の方針2009)の素案について、議論を始めた。社会保障費の削減方針や消費税率引き上げの試算に、反対論が続出。政府は23日に骨太09を正式決定する方針だが、次期衆院選のマニフェスト(政権公約)にも反映されるだけに、選挙戦への危機感を強める与党との調整は難航しそうだ。【近藤大介】

 「選挙にならなくなるのは目に見えている。この場で文言を消してくれ」

 自民党の尾辻秀久参院議員会長は10日の党政調全体会議で、社会保障費抑制路線の撤回を求め、党政調幹部を怒鳴り上げた。

 骨太09は、社会保障費抑制を10年度予算でも続けると読める。07~11年度に社会保障費の伸びを毎年2200億円抑える骨太06を踏襲した格好だが、尾辻氏ら厚生族は、これでは日本医師会などの反発を招き、党の基盤が揺らぐと懸念している。

 園田博之政調会長代理は財源論があいまいな民主党との差別化を図る観点から「一つの基準を捨てることは党にとって大きなマイナスだ」と理解を求めた。しかし「関係者のアレルギーはすごい」(清水鴻一郎衆院議員)などの指摘が相次いだ。

 同日は、消費税率12%の引き上げが必要と指摘した内閣府の試算にも「選挙に関係ないから言えるんだ」(柳沢伯夫党税調小委員長)との不満が噴出。公明党政調全体会議でも「歳出改革も不明確なのに、消費税の試算を出すのは無責任だ」「引き上げは社会保障の安定のためなのに、財政健全化にすり替わっている」などの慎重論が続いた。

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 ◆政府の財政健全化目標◆

10年度   骨太06を踏まえ、歳出改革を継続

11年度   景気回復を前提に消費税率をアップ

13年度まで 基礎的財政収支の赤字をGDP比半減

10年代半ば 債務残高のGDP比を安定化

19年度まで 基礎的財政収支を黒字に

20年代初め 債務残高のGDP比を引き下げ

毎日新聞 2009年6月11日 東京朝刊

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