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ニューライトの名付け親、「時代精神」安理事長(1/5)

2009年韓国の模索

安秉直(アン・ビョンジク)理事長は「(2007年9月)ハンナラ党汝矣島研究所長を務めたのは、政権交代が急がれると考えたからだった…非難される素地があることは認める」と語った。/写真=チョン・ギョンヨル記者
 「李明博(イ・ミョンバク)政権に対し、危機感を覚える。権力の中心がないため野党ときちんと交渉する能力がなく、国民統合も果たせずにいる」

 社団法人「時代精神」の安秉直(アン・ビョンジク)理事長(73)の表情は暗かった。「ニューライト運動の名付け親」として李明博政権樹立の中心的役割を果たした安理事長だが、懸念が多いようだった。「保守の革新」を掲げ左派寄りの政権に立ち向かうために発足したニューライト運動も、政権交代以降は立ち位置が揺らいでいる。内部からも「ニューライトはあまりにも政治化、権力化した。ニューライトは終わった」という声が出ている。同じ保守陣営内でも、近・現代史教科書問題や民族主義の歴史観をめぐり衝突している。安理事長に今年1月9日、インタビューを行った。

◆「ニューライト権力化の話、批判されるだけのことはある」

-李明博政権発足後、ニューライト運動が権力化したという指摘が出ている。政権を手助けするばかりで、批判的役割をほとんど果たしていないようだ。

 「そのように誤解されるだけの素地はある。李明博政権と保守系市民団体は、基本的に理念や政策方向を同じとしているからだ。しかし政権と市民団体は立場が異なるため、独立して活動しつつ、必要ならば政府も強力に批判しなければならない」

-ニューライトが政府をどのように批判してきたか、思い出せない。

 「昨年10月に進歩と保守の共生を模索するセミナーを開き、その内容を『時代精神』特集に掲載した。そこで、李明博政権が韓国の国民統合を果たせずにいる現実を強く批判した。ハンナラ党内部もきちんと掌握できないままで、野党とどのように妥協を導き出すつもりなのか。“高所嶺(高麗大、所望教会、嶺南〈慶尚南・北道〉出身者の意)、江不者(ソウル江南地区の不動産取引で稼いだ人の意)政府”という言葉が出るくらい、李明博政権の人物が国民統合を害するほど不公平な点についても批判した」

-李承晩(イ・スンマン)元大統領は社会主義者だった曹奉岩(チョ・ボンアム)を農林部長官に起用、農地改革という重大な課題を任せたが、李明博政権はなぜそのような人材を起用しないのか。

 「李承晩元大統領は長い間米国で活動したため、自由民主主義に対する理解が大きかった。曹奉岩長官の下で次官を務めたカン・ジョンテク氏も、東京大学農学部で助手を務めた人物だが、社会主義的傾向が強かった。制憲憲法は自由民主主義と社会民主主義の要素を大いに含んでいる」

-2007年にハンナラ党汝矣島研究所の理事長を務めたのも、ニューライトの政治化に影響を与えた。

 「非難される素地があることは認める。しかし、政権や政党の利益のためではなかった。当時理事長を務めたのは、ニューライトの目標が政権交代だったからだ」

キム・ギチョル記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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