2009.06.21 Web posted at:  13:55  JST Updated - CNN
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イラン改革派がテヘラン市内でデモ強行、治安当局と衝突

バイクに乗った民兵組織のメンバーら。改革派の抗議デモ参加者らと路上で衝突した=20日、テヘラン市内

テヘラン(CNN) 大統領選後の混乱が続くイランの首都テヘラン市内では20日、落選したムサビ元首相を支持する改革派が、抗議集会中止の決定を無視して数千人規模の街頭デモを強行し、催涙ガスや放水車で散会させようとした治安当局と衝突した。

ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)に投稿された動画は騒然とした現場の状況を明らかにしており、負傷者が搬送される生々しい映像も含まれている。抗議デモが7日目に突入するなか、死者数が150人に達したとの未確認情報が出ているが、テヘラン市内の医療関係筋は19人が死亡したことを認めた。

イランの人権団体によると、治安要員に暴行され負傷した無数のデモ参加者らは、手当てを受けようとして向かった病院で当局に拘束された。重傷者を含む一部負傷者は、拘束を恐れて外国大使館に保護を求めたとされる。

イラン文化省が外国メディアのデモ関連報道の条件として当局の許可を挙げているため、現地情勢に関する検証可能な情報は入手しにくくなっている。フリージャーナリストの1人は、写真撮影が非常に危険になっていると語った。

複数の目撃者によると、革命広場付近では午前零時頃、路上に石や破壊された道路標識、タイヤとごみの燃えかすが散乱し、建物の窓も破壊され、制服姿の治安要員が警備にあたっていた。また、20日夜には高所得者の居住地区で、当局の指揮下にある民兵組織バシジによる暴力行為があったとされる。

この日の抗議デモは、ムサビ氏がSNS「フェイスブック」の自身のページに書き込んだ「殉死」の用意があるとのメッセージを受けて発生したもよう。同氏は、海外メディアに対する報道規制が続く状況を受けて「今日のメディアはあなた方だ。報告し希望を生かし続けるのが、あなた方の任務だ」と述べ、抗議活動の継続を促したとみられている。同氏はフェイスブックで、イランの統治制度が解体に向かっているとの見解も示しているが、一連のメッセージの信ぴょう性は今のところ確認されていない。

イランの最高指導者ハメネイ師は19日の金曜礼拝で、改革派に抗議活動の中止を求め、従わない場合は強硬措置に出る可能性を警告した。改革派はこうした警告や治安当局に公然と立ち向かってデモを強行し、目撃者らによると参加者らは「ハメネイ師に死を」などと気勢を上げた。

一方、フランスや米国、ドイツでの主要都市では、イラン当局による改革派への弾圧に抗議するデモが開催された。オバマ米大統領はイラン政府に国民への暴力行為を中止するよう求め、「世界が(イラン情勢を)注視していることを理解するべきだ。イラン政府が国際社会から尊重されることを求めるなら、国民の尊厳を尊重し、抑圧ではなく合意による統治を実施するべきだ」と述べた。

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