市町村立の医療機関などの関係者が課題を話し合う県地域医療研究会(会長・佐藤元美・国保藤沢町民病院長)の春季集会が20日、盛岡市内で開かれ、在宅医療・訪問診療をテーマに各地の医師や看護師らが取り組みを発表した。
訪問診療は、医師不足で病院の入院機能が縮小され、介護施設の入所待機者も多数いる中、解決策の一つとして注目を集めている。今回、最も患者に身近な所から地域医療を見直すためテーマに選ばれた。
パネルディスカッションでは、盛岡市内で訪問診療を専門に手がけるもりおか往診クリニックの木村幸博院長が7年間の取り組みを紹介。連携する訪問看護ステーションや薬局とは、ホームページを通じて情報交換していることを報告した。
また、宮城県登米市立上沼診療所の佐々木直英所長は「医師不足ならば病気を減らせばよい」と、禁煙外来など予防医学の重要性を説いた。
一方、町立葛巻病院の小林研副院長は「予防や訪問診療も重要だが、救急態勢の維持も求められる」と指摘。佐藤会長は「訪問診療の充実と別に、病院をベースとして(複数の診療科に対応できる)総合医の育成が必要だ」と語った。【山口圭一】
毎日新聞 2009年6月21日 地方版