□■□猫の里親詐欺に関するご報告とお詫び□■□
私は、ジャパニーズボブテイルのブリーダーであること、譲っていただいた
子猫が繁殖に関わる可能性があることを、譲り受ける際に告げずに
里親募集中だった子猫を複数、譲り受けました。
これは里親詐欺にあたる行為でした。その事実を認め、心より謝罪いたします。
そして、今後、こういった詐欺行為を一切行わないことを誓います。
(東京に住んでいた15-6年前に保護活動の経験がありますので)
私には保護活動家とブリーダー、両方の知人が複数います。
この2つの人間達が、根本は同じ猫好きであるにも関わらず
決してお互い相容れる事のない違う世界、違う空気の中に住んでいる事を分かっているつもりでした。
ですので、交渉の際、ブリーダーである事を告げられなかったのですが
保護活動をしている方々の気持ちも分かっているからこそ
騙されてブリーダー宅に子猫を送ってしまった事実に深い憤りと悲しみを感じるであろう事も
同時に察するべきでした。
その悲しみの深さはいかほどか...言葉で表現できるものではないと思います。
保護主さま方の心を傷つけてしまった事を深く深くお詫び申し上げます。
きっと今は何を書いても「言い訳」にしかならない情況ではありますが…
ほんの少しでも今回の事件の背景を皆様に知っていただければ、幸いです。
「私とボブテイルについて」書かせていただきます。
私はかれこれ7年、日本猫とジャパニーズボブテイルの啓蒙のため
ボランティア活動をたった1人で続けています。
日本人にショーや雑誌、TVなどを通してアピールし
自国「日本の猫」のよさ、魅力を再認識してもらうこと
(遺伝子プールが狭く近親交配が繰り返されて)非常に血が濃くなってしまった
海外(特にアメリカとヨーロッパ)のジャパニーズボブテイル達に
健全な新しい血を取り入れてもらうこと、がショー活動と繁殖活動の目的です。
北海道からショー遠征を続ける事は決して楽しい事ばかりではありません。
お金と時間だけでなく、精神的にもかなりのものを犠牲にして
生活のほぼすべてをこの猫種のために費やして、今日に至っています。
また、一般の方から「日本の猫」で尻尾の短い猫を飼っているという
メールをいただくと、希望に応じて、CFAへの正規の登録料20ドルのみで
ジャパニーズボブテイルに登録をするボランティアを行っています。
(申請書類作りの手間やアメリカへ送るEMSの費用は自腹です)
3年ほど前に月刊「猫の手帖」でエッセイを連載中だった、エッセイストの
赤星たみこさんがこの「日本の猫をボブテイルとして登録できる」事と
私の活動の事をご自身のエッセイで紹介して下さった事もあり
私は今までに70頭以上の「日本の猫」を登録してきました。現在も3頭が申請中です。
登録したのはほぼすべて一般家庭の猫で、当然、避妊去勢した猫ばかりです。
繁殖に関わる事のない猫にも等しく、ボブテイルを名乗る資格があります。
名称が「MIX」や「雑種」であっても、登録証がなくてもあっても
かわいい家族である事には何ら変わりはないのですが...
拾ってきた猫や事故から救った猫達に「戸籍」がついた
これからは「雑種」ではなく、由緒正しい日本の猫です、と人に言える、と
喜んで下さる飼い主さん達からのお礼のメールが私の宝物です。
そう言った登録ボランティアの最中に
登録した猫の兄弟(別な家に里子に行った)もボブテイルなので、一緒に登録したい
今保護している猫がボブテイルなので私の繁殖活動に協力したい、と言う方が数人現われ
ショーの知り合いの中からも近所の方が保護した猫や、知り合い本人が保護した猫を
と言う話が上がるようになってゆきました。
約7年この活動を続けていますが、この期間、現役のボブテイルの
ブリーダーは国内には私しか存在せず、自家繁殖だけで
猫の世代を重ねてゆくためには(近親を極力さけるために)
新しい血筋の導入が切実な課題でした。
アメリカから輸入した血筋ばかりでは、遺伝子プールを広げて
健全な血を取り戻す事はなかなかできないものなのです。
初めこそ、私の活動を知っている方から子猫を直接譲っていただくか
里親探し掲示板経由の出会いであっても、ボブテイルの事や
繁殖の事を説明して理解納得を得られた保護主さんからだけ
子猫を譲っていただいていました。
それを契機に、今でも友好関係にある方も数人います。
そう言った方々のご協力で私は7年間、活動を続けて来られたのです。
でもその方々のご厚意に甘えるうちに、活動にのめり込み過ぎ
踏み越えてはいけない「一線」を越えてしまいました。
遠方(北海道)在住であるだけでも交渉の門前払いを受ける事が常ですから
(子猫を里親宅に届ける事ができない時点で、断るのが常識的な対応だと思います)
さらにブリーダーである事を告げて交渉を打ち切られるのを恐れて
その事実を隠し、告げないまま子猫を譲っていただくと言う事が
2008年を中心に数回ありました。
その方々にはこれからでも正直に真実を話し、謝罪するつもりです。
目的が動物虐待や実験動物としての販売転売ではなかったとしても
「日本猫」「ジャパニーズボブテイル」の啓蒙活動の目的(大義名分)があったとしても
嘘をついて子猫をだまし取った事は、間違いなく犯罪でした。
ボランティアで保護活動をされている方々の心を踏みにじるような行為を行った事を
再度、心よりお詫び申し上げます。
なお。我が家で繁殖した子猫以外は、海外には「売って」はいません。
保護猫さん達の場合は、文字通り輸送費や検疫費用などの必要経費だけを先方に請求し
大赤字の状態で海外の知人にお渡ししています。利益はなしのボランティアです。
「売っていない」事はその知人達に確認すれば答えてくれる事でしょう。
折にふれて海外へ行った元保護猫達の近況をメールでいただいていますが
どの猫達も、愛情をたっぷり受けて、幸せに暮らしているようです。
今回の件に関するご意見、ご感想はブログのコメント欄やHPのBBSではなく
私個人宛にお寄せいただければ幸いです。
私に善意でご協力いただいた方々にご迷惑をおかけする事がないように...。
ご意見、ご感想、お問い合わせはこちらから
2009年6月16日
ジャパニーズボブテイル「雪うさぎ」