2009年6月20日3時1分
政府の経済財政運営の基本方針「骨太の方針09」の修正案が19日、明らかになった。総選挙を前に強まる与党の歳出拡大圧力に譲歩し、歳出削減の支えとしてきた「骨太06」の路線維持をうたいながらも、「機械的な歳出削減を想定したものではない」との異例の修正を加えた。ただ、与党の反発はなお強く、先行きは不透明だ。
「骨太09」は原案が16日の経済財政諮問会議で了承され、政府・与党の協議が続いていたが、特に社会保障費抑制に自民党厚労族が強く反発して修正を余儀なくされた。
19日の自民党総務会は、社会保障費抑制の方針を撤回すべきだとの声が相次いで紛糾。党執行部は笹川尭総務会長に調整を任せることにし、了承を見送った。週明けにも文案の再修正を含めて調整し、再度開かれる総務会で了承が得られれば、23日にも閣議決定される見通し。
修正案では「10年度予算の方向」について、「『基本方針06』(骨太06)等を踏まえ、歳出改革を継続」と原案で示した表現を継続。社会保障費を年2200億円抑制し、公共事業費を前年度比で1〜3%削減する「骨太06」の方向性は維持している。
ただ、与党への配慮から新たな文言を追加。「経済が大きく減速する場合には、財政健全化のペースを抑えるなど、柔軟性を持った対応を行う」「(骨太06は)機械的に(06年度から)5年間均等に歳出削減を行うことを想定したものではない」とし、歳出抑制は形式的なものにとどまることを認める格好だ。
「骨太06」では社会保障費を06年度からの5年間で1.1兆円抑制することを決定。1.1兆円を5等分した年2200億円の抑制が、予算編成で毎年焦点となっていた。