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2009年6月19日投稿

6月23日(火)『黄金夢幻城殺人事件』開幕!

“あの”森江春策が舞台に登場!

“オールド・ダークハウス”ものを愛するミステリ作家・芦辺拓氏がルナティック・シアターのために書き下ろし!

山奥の古城に展開される謎の連続殺人というクラシカルなネタを、ルナのメンバーが果たしてどう料理するか。
怪人は跳梁し、美少女は翻弄され、怪しげな容疑者たちは右往左往する。謎は謎を呼び、話は二転三転大逆転!
果たしてアッと驚く真犯人は……?

キャストも今回は日替わりの部分が多く、昨日見たときとは
ここが違う、あそこが異る、という場面が多くなります。
ことに26日プレミアムステージは、劇団ノーコンタクツの
麻見拓人、松原由賀の2人が出演、さらにギャグをテンションアップ!

小劇場界では滅多に見られない本格推理(?)劇の醍醐味を、ミステリファンもルナファンもどうか存分にお楽しみください。

『黄金夢幻城殺人事件』

2009年6月23日(火)〜28日(日)
@小劇場「楽園」(下北沢)

あぁルナHP
http://www.aalunatic.com/

☆キャスト☆
橋沢進一 佐々木輝之 NC赤英
萩原幹大 岡田竜二 大村琴重
菊田貴公 松下あゆみ 吉澤純子

中村公平(劇団レトロノート)
佐藤歩
鈴木希依子(古舘プロジェクト)
渡辺克己

唐沢俊一

*6月26日(金)は橋沢・佐々木・大村が休演のため、前澤航也・
麻見拓人・松原由賀が出演のプレミアムステージとなります。

脚本:芦辺拓
演出:橋沢進一

6月23日(火)  19時30分   
6月24日(水)  19時30分   
6月25日(木) ※14時   19時30分   
6月26日(金)  19時30分 【代役プレミアムステージ】  
6月27日(土)  14時   19時30分   
6月28日(日)  15時

★※印は平日マチネ割引各1,000円引き(小学生以下無料)で観劇出来ます。
★開場時間は各開演時刻の30分前です。

私は語り手役として出演させていただきます。
単なる語り手にとどまらず……?

https://s134.secure.ne.jp/~s134209/090623ogon/message.html

↑チケット予約ページはこちらから。

トンデモ本大賞2009成功御礼

6月6日、雨が降って、三角定規にひびが入ったかどうか、
とにかく『トンデモ本大賞2009』が開催されました。

前年度大会の進行にちょっと不備があったため、今回は
細かい構成を開催直前まで実行委員で徹底的に磨き込み、
疎漏のないよう気を配っての開催でしたが、会員諸氏の発奮と
来場の皆様のテンションとが相まって、かなりの盛り上がりを
見せた大会になりました。
物販の売り上げの好調さと、記録班が撮影した、終了後の
お客様の表情が何よりもそれを物語っていたと思います。

構成・進行はきちんと狂いなく進めるだけでは盛り上がりません。
アクシデントやサプライズもあってこそ。
今回はノミネート作品にやや、不穏な臭いの立ちこめるような
ものもあり(笑)、会場の期待度の異様な高さはひょっとして
そういうことも作用していたのかもしれません。

坂本頼光氏の、当日ぎりぎりまで製作にかかっていたという
新作アニメ活弁も期待を裏切らぬ大傑作で、無事、2009年度
トンデモ本大賞、幕を閉じることが出来ました。
ご来場いただいた皆様に感謝いたします。

本年度トンデモ本大賞は、2位の『聖書は日本神話の続きだった』
との“一票差”で
『新・知ってはいけない』船瀬 俊介
に決定いたしました。
一票差という接戦も、トンデモ本大賞では珍しいことでした。

次回は会場を変え、2010年6月12日(土)、
日本橋劇場(地下鉄半蔵門線水天宮駅前、日本橋区民センター内)
にて開催
いたします。詳細はと学会HP等でお確かめください。
やや、豊島公会堂より席数が少なくなっております。
ご予約はお早めに!

入院しておりました

この一週間更新がなかったことで、ご心配していただいた
皆様もいらっしゃったと思いますが、トンデモ本大賞、
本の書き下ろし、舞台公演、その他まだ極秘(笑)の
新企画などの準備が5重、6重にかさなり、
疲れがたまったか呼吸困難気味になり、
6月10日の日に病院で診察を受けた結果、
緊急入院をすることになってしまいました。
心臓を含め、多機能不全のような状態におちいっていたようです。

幸い、担当医の治療の方針がよかったか経過は順調で、着実に健康を
回復、体重を10キロ近く落としてスッキリしての退院と
なりました(詳細は入院日記を挙げますので、そこでどうぞ)。
美人の女医さん、看護師さんの多い病棟だったので楽しく
リハビリしてきた、という感じです。

年齢と共に無理がきかなくなっていることは自覚していますが
まだまだおとなしく引込んではいられません。
極秘の(笑)新企画含め、今年後半、いろいろとたくらんで
おります。
なにとぞ温かい目で見守っていただけますよう、伏して
お願い申し上げます。

改めまして、今回はご心配をおかけし、申し訳ありませんでした。

             2009年6月15日 唐沢俊一

新刊

2009年6月16日投稿

『機動戦士ガンダム ジ オリジン』に寄稿しています

唐沢俊一と安彦良和、という組み合わせに違和感を
感じる方もいらっしゃるでしょう。
私自身、角川書店さんから依頼を受けたときに、ちょっと
ためらいました。ガンダムに限らず、熱烈なマニアのいる
業界では、いわゆる仲間うち以外の起用は問答無用で切って
捨てられるのが通例ですから。
しかし、どうもこの依頼は安彦先生からのお名指しである
らしい。

安彦先生にしてみれば、熱烈なファンたちからの賛辞の他に、
ちょっと外れたところから、自分の画業というものを客観視した
評価をそろそろ読んでみたかったのではないか、と思います。

「商業アーティストとしての安彦良和の位置づけ」
を自由に書いてほしい、と言われて、いささかガンダム系の
本に執筆するには異例と思いましたが、“商業”に徹した画家の
嚆矢として、明治時代の挿絵画家、鰭崎英朋あたりから説き起こす
という評論を書き上げました。

私としてはさて、どういう受け取り方をされるかにはまるで
自信がありませんでしたが、安彦先生からは丁寧なお手紙と
編集者への伝言で、絶賛を伝えてきてくださいました。
以前から、私に自分を論じてほしかった、とのこと。
恐縮というか、ガンダム系に関しては(あまりにそれが本道、
王道になってしまったがゆえに)あえて避けて通ってきた私に、
改めて正面からガンダムのアートワークを見直すきっかけも
作ってくださったと思っております。

まあ、それはともかく、ざっと日本の商業アート史を俯瞰する
内容にもなっておりますので、どうかガンダムファンも、
唐沢俊一ファンも、一度目をお通しくださいますよう、
お願い申し上げます。

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4048542931/karasawashyun-22

と学会年鑑KIMIDORI発売!

毎度おなじみ、と学会の例会発表と、毎年のトンデモ本大賞
授賞式の模様を収録した年鑑シリーズ最新作が楽工社から
刊行されました。

その名も、『と学会年鑑KIMIDORI』。
何で黄緑なのか、なんで日本語なのかは不明(笑)。

私は性関係の名(迷?)著二冊、
『性関係の歴史』アンドレ・モラリーダニノス(白水社。66)
『懺悔録』コリャード(岩波書店。86)
を紹介しています。

恒例、今年6月6日開催のトンデモ本大賞授賞式のご案内も
入っておりますので、ぜひ急いで書店でお買い求めを!

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4903063313/karasawashyun-22

プロデュース

2009年4月27日投稿

ルナティック演劇祭、無事終了!

第一回ルナティック演劇祭、大盛り上がりのうちに26日、閉幕
いたしました。ありがとうございました!
すでに各劇団のサイト等でご存知の方も多いと思いますが、
以下のような結果となりました。

参加劇団
MILES 『SMILES』
http://miles.miceru.com/
母性本能プロラクチン『幽体離脱、加奈子サン』
http://818stage.jp/diary/1/index.php
H・I・A『権狐芝居』
http://video.aol.de/video-detail/-with-hq/3086418284
SpaceNoid『夜のサカナたち』
http://s-noid.com/

結果
優勝     MILES
最優秀演出賞 石動三六(H・I・A)
最優秀脚本賞 清水洋介(SpaceNoid)
最優秀俳優賞 藤木吾呂(MILES)
唐沢俊一賞  中澤隆範(母性本能プロラクチン)
特別賞    豊嶋任世(H・I・A)

審査委員  橋沢新一(劇団『あぁルナティックシアター』座長)
      本多慎一郎(本多劇場『楽園』支配人)
      唐沢俊一(『ルナティック・サーキット』プロデューサー)

審査方法  審査委員各30点、ルナティックシアタースタッフ各10点、
      入場者1人につき1点の持ち点で集計、総合得点の最も多
      い劇団を優勝とする。

総括:
下馬評でダントツのトップだったMILESに、SpaceNoidが凄まじい
肉薄。結局MILESが僅差も僅差で逃げ切った印象でした。
照明・音響等の効果使いまくり、東京を壊滅させようとたくらむ
天才ハッカーと探偵事務所の追跡劇でジェットコースターのような
演劇空間を現出させた『SMILES』と、音楽も効果も最小限、
渋く渋く千葉のホストクラブのホストたちの哀しくもしぶとい生き様を
見せた『夜のサカナたち』。
真逆の芝居でありながら作劇力、演技力、そして集客力いずれも
甲乙つけがたく、選考にはかなりの苦労がありました。

結局、コンテスト参加作品ということで、今回こちらから提出させて
いただいた課題の“舞台上に花を活けた花瓶がある”という設定を
どれだけドラマの中に活かしているか、その工夫にポイントを
入れた形で、MILESの優勝になりました。
おめでとうございます。

MILESの凄さはその徹底した情報収集とアイデア出しにあると
思います。もう2年以上もこの劇場を使っている私たちにも、
「ああ、こういう使い方があったのか!」
と膝を叩かせる工夫が随所にありました。スポンサーである
高須クリニックのCMまでを芝居の中に取り込んでしまうその
融通無碍さは小劇場演劇ならではのはじけた楽しさに満ちていました。
アイデア満載の分、ラストへの話の収斂にちょっとゆるみが見えたのが
残念でしたが、しかしそれを観客に感じさせなかったのは、
役者たちのテンションの高さ。中でもハッカー・FOXを演じた
リーダーの藤木吾呂さんの演技の持つ“狂気”は、断然、他を
圧倒していました。彼の最優秀俳優賞受賞は文句のないところでしょう。

SpaceNoidは真に申し訳ないのですが、最初はノーマークでした。
地方のホストクラブのホストたちの話ということで、
「劇団名にしちゃ地味なテーマの話を持ってくるな」
くらいにしか思っていませんでした。ストーリィも取り立てて
演劇的なところがなく、リアルなホストの生態を3割くらいの
キャラクターのカリカチュアを加えただけで淡々と進行していきます。
派手な演出もほとんどありません。
ところが、芝居が1/3くらい進んだあたりで、観ている方は
完全にその話の中に引き込まれてしまうのですね。
正直、こういう作劇術があったのか、と目からウロコでした。
脚本の清水洋介さんへの脚本賞も、これまた順当だと思います。

事実上、上記2劇団の争いとなった今回の演劇祭ですが、しかし
他の劇団も本当によかった。母性本能プロラクチンは、こういう場所
での演劇の基本線というべき安定した芝居を見せてくれました。
母親の死という暗くなりがちな芝居を明るく軽く見せてくれた手腕は、
リーダーの鈴木ちえさんのキャラクターのたまものでしょう。
今回の演劇祭のベースを作ってくれたと感謝しています。
そして、“異物”としてその中に出現し、マンガチックに、
しかし超印象的にトリックスターのマッド・ドクターを演じた
客演(劇団ヨロタミ)の中澤隆範さんの破壊力に、唐沢俊一賞を
差し上げることにしました。

そして何より『H・I・A』! 60歳以上の役者さんたちによる
演劇活動、というコンセプトが圧倒的な劇団でしたが、やはり
実際に芝居を作っていく過程でアクシデント連発だったようで。
取りまとめていた川瀬有希子さんのブログでそのことをリアルタイム
で読んでいたので、いざ、芝居が始まってみると、まるでドキュメント
を観ているような感覚に襲われました。こんな芝居もまず、他に
ないでしょう。しかしピンチヒッターの大ベテラン、野上正義さんと
劇団のカナメである元・校長先生の豊嶋任世さんの、実にもう、
ホンモノにしか出せない存在感! 芝居を観たMILESの藤木さんが
「こんなんに勝てるか〜!」
と愕然としていたくらいでした。とはいえ、登場する人の8割が
初舞台というこの芝居を、よくまあここまでまとめあげたもの、と
感心するしかありません。演出をし、かつ自らも演出家の役で
舞台に立った(これもドキュメントだなあ)石動三六さんの人徳と
演出力のたまものだと思います。彼に最優秀演出賞、そして
急遽、豊嶋さんに審査員特別賞を差し上げることに決定しました。

おっかなびっくりで始めた第一回ルナティック演劇祭、打ち上げも
盛り上がり、参加劇団同志の横の交流も活発だったようで、これで
下北沢の小劇場演劇をさらに少しでも活性化できたら、こんなうれしい
ことはありません。
参加劇団の皆様、劇場に足を運んでいただいた観客の皆様、本当に
ありがとうございました。今回の成功は皆様のおかげです。

第二回は今年の10月に開催されます。応募要項、課題等、
決まりましたらまたお知らせいたします。
奮ってご参加ください!

Copyright 2006 Shunichi Karasawa