信州大(本部・松本市)は18日、繊維学部の男性准教授(44)が、文部科学省の補助金を不正に県内の業者に預け入れていたことが発覚したとして、准教授を停職1カ月の懲戒処分にしたと発表した。准教授は02~06各年度に余った補助金計約700万円を、架空の納品書や請求書を作成して業者の口座にプールし、大学の備品購入などに充てていた。
信大によると、余った補助金は国に返還しなければならないが、准教授は業者に計18回預けていた。「有効に活用しようと思った」と話しているという。うち約670万円で教育研究などに使う電子部品や消耗品を購入したが、私的利用はないという。准教授は既にお金の返還を始めている。業者は信大の調査に「懇意の先生からの要求で断りきれなかった」と話したという。
山村研一・信大理事は「社会的信頼を裏切り申し訳ない。07年度からは納入品を事務員が確認する検収センターを設置し、不正防止に取り組んでいる」と述べた。【渡辺諒】
毎日新聞 2009年6月19日 地方版