ずんぐりとした体と小さな羽で、重たそうに飛ぶクマバチ。彼らの体は、航空力学の理論上では、飛べるはずのない構造だという。じゃあなぜ飛べるのか、という疑問に、人々は「クマバチは飛べないことを知らないから、飛べるんだ」と想像した。
そんな話をテレビで見て、ユニークな発想に感心した。気になって調べてみたところ、現在はレイノルズ数という無次元数を計算にいれると、彼らの飛行法が証明できるそうだ。
一体どう証明できるのか、私には想像もつかない。そんな偉業を達成した人間を尻目に、当のクマバチは知らん顔でミツを運んでいるのだろう。(岡)
毎日新聞 2009年6月19日 地方版