松阪市と明和・多気両町で構成する松阪地区広域消防組合は、緊急性が低い119番を医療業者へ転送し、救急態勢を維持する「コールトリアージ」(電話による優先割り当て)を導入することを決めた。業者へは住民が直接電話することもでき、業者側が緊急性が高いと判断した場合は逆に同組合へ救急車などを要請する。
松阪市によると、消防組合と民間業者が相互連携する形態のコールトリアージは全国初。25日開会の同組合議会に提案される。
医師と看護師が常駐している業者へ委託する。119番をかけた本人の了解得て、電話を業者へ転送し、医療相談を受けてもらう。
一方で、かかりつけ医が不在だったり、深夜など診療可能機関が不明な場合、住民は業者へ電話すれば、応急手当ての方法や受診可能な医療機関を教えてもらえる。その際、業者側が「緊急性が高い」と判断した場合は、救急車を同組合に要請する。旅行中など県外にいる場合も、住民は旅行先での医療情報を提供してもらえる。
トリアージを取り入れた先進例として、東京消防庁が07年6月、司令室に医師を終日常駐させて対応している。横浜市は昨年10月、119番通報に限り、相談業務を民間に委託。伊丹市は昨年7月から、119番とはリンクしない形で医療相談業務を民間に委託している。【橋本明】
〔三重版〕
毎日新聞 2009年6月19日 地方版