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原油値上がり「夏までに100ドル越え」 石油連盟会長

2009年6月19日2時59分

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 石油元売りの業界団体である石油連盟の天坊昭彦会長(出光興産社長)は18日、国際指標となる米国産WTI原油の先物価格について「このままいくと夏までに100ドルを超えるのではないか」と、原油高に懸念を示した。原油の需要は世界的に落ち込んでいるが、投機資金の流入が価格を押し上げている。

 WTI原油の先物価格は昨年7月に最高値147.27ドルをつけた後、急激に下落。同年12月に30ドル台まで下げた。ただ、今年2月以降じりじりと値上がりし、6月9日からは終値で70ドルを超えている。

 天坊会長は「OPEC(石油輸出国機構)は減産しても、消費国の在庫はぱんぱんになったまま。そのなかで原油価格が上がっている」と言う。本来、在庫が膨らめば価格は下がる。それでも原油価格が上がるのは、各国政府の財政出動や低金利で資金がだぶつき、資金が原油取引に流れ込んでいるためだという。

 実際、原油の需要は落ち込んだままだ。国際エネルギー機関が11日に出した09年の世界の原油需要予測は日量8330万バレルで前年比2.9%減。国内も、ガソリンの販売量は毎月平均で前年比2%程度減っている。トラックなどの燃料である軽油の販売量は大幅な落ち込みが続き、4月は前年同月比16.4%減だ。

 需要減で国内の製油所の稼働率は7〜8割にとどまる。出光興産は6月上旬に定期修理に入った北海道製油所(苫小牧市)の稼働を、7月下旬の修理後も1週間程度遅らせることを検討している。

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