県医師会が、宮崎市郡エリアの内科系の夜間救急を担う8病院の勤務医を対象に実施したアンケートによると、約6割の医師が疲労度合いの悪化を訴えていることが分かった。日常勤務の当直もあり、過労死を懸念する意見も多く、救急医療を支える医師の過重労働の一端が浮かび上がった。【石田宗久】
宮崎市夜間急病センター(宮崎市)では毎日午後7時以降、救急患者に対応しており、年間受診者は約2万4000人。入院治療が必要な内科疾患の患者は、その夜の輪番担当病院に転送している。従来は宮崎市郡医師会病院が受け入れていたが昨年6月、宮崎大が派遣していた内科医3人が退職。初期救急を守るために8病院で輪番を始めた。今年5月までに124人の患者に入院が必要と判断され、輪番病院が69人を受け入れた。
アンケートは今春、55人を対象に実施し38人が回答した。輪番開始後の疲労の度合いは、17人が「ある程度悪化」、5人が「非常に悪化」と回答。「変わらない」は16人だった。仕事量が増えたと答えたのは「非常に」が1人、「ある程度」が26人だった。心理的負担は「非常に」「ある程度」を合わせて32人が増えたと答えた。
調査は日常勤務についても質問。当直は月5、6回が14人で、9回以上も1人いた。「当直明けは休めるか」との問いには35人が「当直明けも通常勤務」と回答。連続勤務時間は34~36時間が最も多く、計25人だった。自身に対する過労死の危惧(きぐ)には「過去に何回かある」が17人で、「ない」は9人。同僚に対しては「常時」が8人、「過去に何回か」が16人などで、「ない」は5人にとどまった。自由回答では「内科医獲得へ努力を」「輪番参加と休日当番で勤務医は疲弊していく」などの意見が出た。
県医師会は「宮崎市郡では勤務条件が整っているはずだが、これが現状。県全体ではもっと厳しいはず」と話している。
毎日新聞 2009年6月18日 地方版