国会議員、目前で電話 厚労省元部長に「頼む」…郵便不正
郵便不正を巡る厚生労働省の偽公文書作成事件で、自称障害者団体「凛の会」(解散)元会長・倉沢邦夫被告(73)(再逮捕)が大阪地検特捜部の調べに対し、障害者団体証明書が発行されるよう口添えを頼んだ国会議員が目の前で当時の同省障害保健福祉部長(57)(退職)に電話してくれたという趣旨の供述をしていることがわかった。元部長もこの議員から凛の会への対応を依頼されたと供述しており、特捜部はこの電話が不正の出発点とみている。〈関連記事33面〉
国会議員の事務所は「議員本人も『そんな電話をかけた記憶は全くない』と言っており、そのような事実は全くないと考えている」と否定している。
関係者によると、倉沢被告は2004年2月、議員会館にある事務所を訪れ、以前に秘書を務めていた議員に、「凛の会を障害者団体と認める厚労省の証明書がほしい」と依頼。議員は了承し、その場で同省の元部長に電話して「よろしく頼む」などと伝えたという。
元部長はこれまでの特捜部の任意聴取に対し、議員から依頼があったことを認め、当時の部下で同部企画課長だった前雇用均等・児童家庭局長、村木厚子容疑者(53)(逮捕)に凛の会への対応を指示したと供述。この議員とは「10年来の付き合いだった」とも話しているという。
(2009年6月17日 読売新聞)